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2009年08月21日

(No.62)新展示水槽「好適環境水(こうてきかんきょうすい)」 ~奇跡の水~

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今夏当館では、新展示と致しまして、好適環境水なる特殊な水を使った水槽をオープンしました。
何やら難しそうな名前と思われた方もいるかも知れませんが、話は単純で、普通の水に専用の粉末
を溶かすだけで、海水魚と淡水魚が一緒に飼えるようになる水槽というものです。
使用法や見た目によく似た、人工海水という製品がありますが、そちらは海水のコピーであって
海水魚限定、しかも高価な為、主にセレブな方が使うようです。さて、お話は数年前にさかのぼり
ます。地方の山あいにあった、ある専門学校では、実験で使う貴重な海水を巡って度々ケンカが
起こりました。困った先生は、何とかして海水よりも安く海のお魚が飼える水は作れないかと思案
していました。そして数年後新しい水の開発に成功しました。好適環境水を完成させたのです。
輸送海水や人工海水よりも低コスト、海水でもなく真水でもないので通常の病原菌などにかかりにくく、
真水に近い性質から排水処理コストが小さくエコロジー。正に奇跡の水です。
先生はこうして無事、海水争奪事件を解決し、さらに山で海水魚を養殖しようと計画しています。
そしてまた、不思議な現象が実現しました。そうです、好適環境水の特殊な性質から、海水魚と淡水魚が一緒にすめるという、ありえない環境が実現したのです。
キンギョやニシキゴイなど私たち日本人にとても馴染み深いお魚と、皆さんもよくご存知のカク
レクマノミや小さくて青いスズメダイの仲間など南の海のお魚が一緒に泳ぎます。そんなことが可
能なの?と思われた方、もっと詳しく知りたい!と思われた方、そんな方々にこそ、ご自分の目で
見て確かめて頂きたいと思います。8 月8 日(土)淡水館にてオープンしました!! (野村 俊介)

投稿者 naeba : 11:48 | トラックバック (0)

2009年04月01日

(No.46)警戒(けいかい)と愛情のあいだ ~キングペンギン~

昨年8月、当館では初となる待望のキングペンギンの雛(ひな)が生まれました。すくすくと育ち、順調に大きくなっています。キングペンギンの雛は暗い茶色で親の抱卵(ほうらん)斑(はん)の中で、暖められながら育ちます。体が大きくなり、収まりきらなくなると、外へ出て親の近くに寄り添(そ)います。雛の成長は早く、3ヵ月も経(た)てば親と同じくらいの大きさになります。ふ化から9ヶ月ほどかけてようやく、雛の綿羽(めんう)から大人の羽毛へと生え変わり、巣立ちます。
雛の綿羽は保温性に優れますが、速(そっ)乾(かん)性が無いため、一度濡(ぬ)れてしまうと体温が低下し、最悪凍死(とうし)も考えられます。そのため、雛には細心の注意を払います。これまでに三度プールへの落下がありました。その度に慌(あわ)てて引き上げ、タオルやドライヤーで羽を乾かしてやるのですが、我々飼育係には一向に懐(なつ)きません。鳴き声を上げ、逃げ惑(まど)い、暴れまわります。さすがに3ヶ月を越した雛は大きさも親と同じ
なら力も親と同じです。押さえつけるのがやっとで、幾度(いくど)となく顔を叩(たた)かれながら乾かします。人間の愛情とは伝わりにくいもので、少し悲しくもなります。ただ、乾いた雛はフワフワな綿のようで、肌(はだ)触りだけはたまらなく気持ちの良いものです。(今城悠二)
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2009年03月15日

(No.45)イモリの赤ちゃん誕生(たんじょう)

当館で飼育しているシリケンイモリが、昨年の12月に卵を産み、1月にイモリの赤ちゃんが誕生(たんじょう)しました。シリケンイモリは、奄(あま)美(み)大島・沖縄(おきなわ)島・渡嘉敷(とかしき)島に分布しており、全長は10~15cm、背中は黒や茶褐(ちゃかっ)色で腹側はオレンジ色や黄色をしています。体内にはテトロドトキシンという毒をもっていることから、この体色は警告(けいこく)色になっていると考えられています。繁殖(はんしょく)は、水温や地域により異なりますが、だいたい12月から7月ごろまで行われます。オスは繁殖期になると体の側面や尾に白や銀色の模様(もよう)があらわれ、これを婚姻(こんいん)色と呼びます。オスがメスに求愛(きゅうあい)するときは、シリフリンというフェロモンを出しメスを誘惑(ゆうわく)します。メスが求愛を受け入れるとメスはオスの後ろを歩き、オスが総排泄腔(そうはいせつこう)から精(せい)包(ほう)(精子の入った袋)を出すとメスはそれを自分の総排泄腔から体内に取り込み、産卵のときにその精子と卵を受精させ総排泄腔から産み落とします。卵はゼリー状の膜(まく)に包まれ、池や沼など流れの弱い水溜(みずたま)りや、水草に一個ずつ産み付けられます。卵は約40日でふ化し、手も足も生えておらず親とはかけ離れた姿(すがた)で生まれます。この時期は幼生と呼ばれ外(がい)鰓(さい)という鰓(えら)を持っています。赤ちゃんのうちは魚のようにこの外鰓で呼吸を行っています。卵から出て三ヶ月ほどたつと鰓がだんだん小さくなり、親と同じ肺呼吸に変わっていきます。(高山 詩織)
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2009年03月01日

(No.44)~死滅(しめつ)回遊魚(かいゆうぎょ)~ なれし故郷(こきょう)を放(はな)たれて 夢に楽土(らくど)求めたり

すべての生物は、その生涯(しょうがい)の中で、何らかの方法を使って分布域(ぶんぷいき)を広げようとする性質を持っています。カツオやマグロのように遊泳(ゆうえい)能力が高く、広い海を自由自在に泳いで移動するものや、卵や稚魚(ちぎょ)の時に海流に運ばれるなど、その方法は様々(さまざま)です。
 沖縄やフィリピンなどの熱帯から亜熱帯の海域(かいいき)に生息するチョウチョウウオ類やスズメダイ類が、夏場に本州沿岸に姿をみせることがあるのは、南から黒潮に乗って幼魚(ようぎょ)が運ばれてきたからです。
この種類はもともとは大規模(だいきぼ)な回遊(かいゆう)をする魚ではありません。水温が高い夏の間は成長することができても、生まれ故郷へと帰っていく力はなく、冬が訪(おとず)れ水温が下がると死んでしまいます。このような現象を繁殖(はんしょく)に寄(き)与(よ)しない分散(ぶんさん)という意味で「無効(むこう)分散」、そして無効分散を行う魚たちを一般的に「死滅(しめつ)回遊魚(かいゆうぎょ)」と呼びます。
 しかし、これが全くの「無効」なのかというとそうではありません。もし海の向こうに生息に適した場所があれば定着し、新たな分布域を広げることができるのです。生物の進化という長い時間の流れでみた場合、地球の環境はかなり大きく変動しています。将来、日本近海の海水温が上昇(じょうしょう)すれば、今では無効な分散も有効(ゆうこう)になる可能性があるのです。生物種にとって、無効分散は将来の分布拡大のための投資(とうし)と言えるわけです。
黒潮によって運ばれてくる幼魚たちは、けっして「死への旅」などではなく、新たな世界への生存の望みを賭(か)けた変化への挑戦(ちょうせん)なのでしょう。(足立 円佳)
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2009年02月15日

(No.43)ミッキーマウス!?

2008年の干支(えと)と言えば…そう、皆さんもご存知(ぞんじ)の〝ねずみ〟ですよね。
魚達の名前にも〝ねずみ〟が付く魚がいるんです。
代表的な名前を挙(あ)げますと ネズミギス、ネズミギンポ、ネズミゴチ、ネズミダラ、ネズミフグ…等々まだまだ沢山(たくさん)います。そんな中で今回紹介(しょうかい)するのは、淡水魚のプラティー(Xiphophorus maculates)と言う魚です。
プラティーとは〈平たい〉と言う意味で名前の通り、体長(たいちょう)・体高(たいこう)に対し体の幅がないのが特徴(とくちょう)です。かなりポピュラーな淡水の熱帯魚ですので、ペットショップ等でも良く見られます。
日本に輸入されて、かなり色々な交雑(こうざつ)種(しゅ)が増え、原種(げんしゅ)を見ることは
めったにありません。
プラティーの繁殖(はんしょく)は卵でなく稚魚(ちぎょ)をそのまま生み落とします。
魚類の世界ではこれを卵(らん)胎生(たいせい)と言います。
プラティーなどの卵胎生メダカは親が交尾をしてメスの胎内(たいない)で発生が進み、稚魚として産み落とします。
妊娠(にんしん)期間(きかん)は4週間前後で10~50尾の稚魚を産みます。
さて今回は干支の〝ねずみ〟がテーマですが、このプラティーをよく見てください。尾鰭(おびれ)の近くになにやら模様(もよう)が見えますね。
そうです!皆さんがご存知のあの〝ねずみ〟のキャラクターマークが付いていますね。
ですから、この魚の俗名(ぞくめい)をミッキー プラティーと言います。
館内(かんない)にある水槽に展示(てんじ)してありますので、ぜひ探(さが)してみてくださいね。
では、本年も皆様にとって良い年でありますように!!(吉川 尚基)
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