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2012年11月26日

(No.65)縞(しま)模様(もよう)はどこへ?変身イシダイ

海で体長10cmから15cm程のイシダイという魚が釣れることがあります。白黒の縞模様や顔つきはなかなか可愛らしいものです。しかし、このイシダイという魚、大きくなると幼い頃とは全く違った風貌(ふうぼう)になってしまうのです。
 釣りの世界で幻といわれている「口(くち)黒(ぐろ)」という魚がいます。その名の通り口が黒く、体の色は灰色で、その姿はとても貫禄(かんろく)を感じさせます。また、磯の王者ともいわれており、釣り人にとっては憧(あこが)れの的です。さて、なぜここで見た目の全く違う魚の話をするかといいますと、実はこのイシダイと口黒は同じ魚なのです。幼魚の頃は白黒の鮮やかな縞模様をしていて貫禄などありません。しかし、体長30cmを超える頃に縞模様が薄れ、口の周囲が黒くなり始めます。これぐらいの大きさになると大物の雰囲気が出てきます。そして、40cmを超える頃には縞模様はほぼ無くなり、立派な口黒といえる姿になります。
 最近では、50cmを超えるような大物は滅多に見られませんが、過去には70cmを超える超大物も記録されています。そんな大物は私も見たことはありませんが、その姿には憧れを持ちます。当館の大水槽にいるイシダイは、現在約30cmになり、口は黒くなり始めましたが、体は灰色にはな
っておらず、口黒にはまだまだほど遠いです。いつかこのイシダイが貫禄ある口黒と呼べる姿になってほしいものです。 (鈴木智久)
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(No.64)アルビノ

アルビノとは生まれながらにしてメラニン色素が欠乏(けつぼう)している状態の事を指し、先天性(せんてんせい)白皮症(はくひしょう)、先天性色素欠乏症などと呼ばれています。最大の特徴としては、メラニンの欠乏により、体毛や皮膚は白く、瞳孔(どうこう)は血管の透過(とうか)のため赤く見えます。このアルビノ個体は動物全般に広くみられますが自然界での生存率は極めて低く、その理由としては、視力が弱い・捕食者(ほしょくしゃ)に見つかりやすい・紫外線(しがいせん)に対する免疫(めんえき)がないなどがあげられます。その珍(めずら)しさからシロヘビやシロウサギなどは民話などで語りつがれ、一部の動物は神聖(しんせい)なものとして扱われています。その一方現在では、魚類・両生類・爬虫類(はちゅうるい)などのアルビノ個体は珍しさと見た目の美しさから観賞用としても人気があります。 
また白(はく)変種(へんしゅ)といってアルビノと間違われやすい個体もいます。こちらは突然(とつぜん)変異(へんい)で生まれた白い個体なのですがアルビノとは別の遺伝(いでん)形質(けいしつ)を持っています。ホワイトタイガーやタイの白(しろ)象(ぞう)などがこの部類に入ります。アルビノと白変種は眼の色の違いで見分ける事ができます。(白変種は眼が赤くない)
当館にもいくつかのアルビノと白変種の生物を飼育しているのでぜひ探してみてください。        (冨江 亮輔)
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(No.63)淡水魚と海水魚はどこがちがうの?

箱根園水族館では、2009年8月8日から好適(こうてき)環境(かんきょう)水(すい)を使用した展示を開始しました。
好適環境水とは、岡山理科大学専門学校が開発した特別な粉末(ふんまつ)を真水(まみず)に溶かした飼育水のことです。この水を使うと、海水魚と淡水魚を同じ水槽で飼うことができるのです。
ではそもそも、海水魚と淡水魚が同じ環境で暮らせないのはなぜでしょうか?海水と淡水の違いと言えば、やはり、しょっぱさの違い・塩分(えんぶん)濃度(のうど)の違いですよね。そしてさらに、魚にとって問題になってくるのが、体液(たいえき)の塩分濃度と、水中の塩分濃度の関係です。魚の体液塩分濃度は、魚種等で若干(じゃっかん)の差はありますが約1%と言われています。それに対して海水の塩分濃度は  
3%ですので、溶液(ようえき)の性質から、そのままでは、海水魚の体内の必要な水分がどんどん水中に
吸収されてしまい、脱水(だっすい)状態になってしまうのです。塩分がほとんど0%の淡水に、すんでいる淡水魚は逆に体内に余分な水分が侵入(しんにゅう)してくる事になり、水ぶくれ状態になってしまうのです。
 これらの事を防ぐために、魚は鰓(えら)・各臓器(ぞうき)・排泄(はいせつ)などの働きにより、体液の塩分濃度を、調節しているわけです。この体液の塩分濃度を調節する機能の事を「浸透圧(しんとうあつ)調節(ちょうせつ)機能」と言います。中には、汽水域(きすいいき)に生息する魚や、成長に伴(ともな)って、生息域を変える魚がいますが、浸透圧調節機能をうまく使い分ける事ができたり、成長ホルモンの分泌(ぶんぴつ)を調節するなどして、浸透圧を調節しているのです。淡水域と海水域を、往来(おうらい)できるような魚は、浸透圧調節機能がすぐれているといえます。                                   (足立 円佳(まどか))

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(No.62)新展示水槽「好適(こうてき)環境(かんきょう)水(すい)」 ~奇跡(きせき)の水~

今夏(こんか)当館では、新展示と致しまして、好適環境水なる特殊な水を使った水槽をオープンしました。何やら難しそうな名前と思われた方もいるかも知れませんが、話は単純で、普通の水に専用の粉末(ふんまつ)を溶かすだけで、海水魚と淡水魚が一緒に飼えるようになる水槽というものです。
使用法や見た目によく似た、人工海水という製品がありますが、そちらは海水のコピーであって海水魚限定、しかも高価な為、主にセレブな方が使うようです。さて、お話は数年前にさかのぼります。地方の山あいにあった、ある専門学校では、実験で使う貴重な海水を巡(めぐ)って度々ケンカが起こりました。困った先生は、何とかして海水よりも安く海のお魚が飼える水は作れないかと思案(しあん)していました。そして数年後新しい水の開発に成功しました。好適環境水を完成させたのです。輸送海水や人工海水よりも低コスト、海水でもなく真(ま)水でもないので通常の病原菌などにかかりにくく、真水に近い性質から排水処理コストが小さくエコロジー。正に奇跡の水です。先生はこうして無事、海水争奪(そうだつ)事件を解決し、さらに山で海水魚を養殖しようと計画しています。そしてまた、不思議な現象(げんしょう)が実現しました。そうです、好適環境水の特殊な性質から、海水魚と淡水魚が一緒にすめるという、ありえない環境が実現したのです。
キンギョやニシキゴイなど私たち日本人にとても馴染(なじ)み深いお魚と、皆さんもよくご存知のカクレクマノミや小さくて青いスズメダイの仲間など南の海のお魚が一緒に泳ぎます。そんなことが可能なの?と思われた方、もっと詳しく知りたい!と思われた方、そんな方々にこそ、ご自分の目で見て確かめて頂きたいと思います。8月8日(土)淡水館にてオープンしました!! (野村 俊介)
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(No.61)逆(さか)立ちする魚 ~ヘコアユ~

魚類のほとんどは、頭を前方に、背中を上にして泳ぎますが、なかには変わった姿勢(しせい)で泳ぐ魚もいます。“ヘコアユ”は特に変わっていて、いつも頭を下にして泳いでいます。驚(おどろ)いた時には、体を水平にして泳ぎますが、すぐに頭を下にします。また、背ビレのある方向、つまり背後(はいご)に進みます。この様な奇習(きしゅう)を持った魚はヘコアユぐらいのものでしょう。
和名のヘコアユの「ヘコ」は反対、逆さまの意味で、「アユ」は歩むことです。つまり逆立ちの姿勢から背後の方向(反対の方向)に進むことからが、名前の由来です。漢字では「兵児(へこ)鮎(あゆ)」と表します。この魚は熱帯地方の波のおだやかな、内湾のサンゴ礁(しょう)に数十尾の群れを作ってすんでいます。体は左右に扁平(へんぺい)で細長いくちばしの先端に口があり、細かいプランクトンを食べています。また、ヘコアユの姿勢の反対つまり頭を上にして立ち泳ぎをする魚もいます。“タツノオトシゴ”の仲間達です。左右の胸ビレを使い泳ぐ時はいつも頭を上にして、立ち泳ぎをしています。
タツノオトシゴ類はヘコアユとは近(きん)縁(えん)でくちばしの先端に小さな口があり、細かいプランクトンを食べていることも似ています。                    ( 長谷川 勇司 )
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