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(No.21)植物? 動物?~ニッポンウミシダ~

棘皮(きょくひ)動物(どうぶつ)(ウニ、ヒトデ、ナマコ等)の仲間で最も原始的なグループです。
陸上植物のシダにそっくりなためにこの名があり体色は変化に富(と)んでいます。
ニッポンウミシダは日本固有(こゆう)種(しゅ)で、本州中部から九州までの広い範囲の潮(しお)の流れの速い場所に多く生息しています。
腕(うで)の両側には粘着性(ねんちゃくせい)の羽のような多数の小突起(しょうとっき)が生えており、網(あみ)の目のように海中を漂(ただよ)うプランクトンをすくい取り中央にある口までベルトコンベアーに乗るように運ばれていきます。
普段は海底の岩に体の下にある巻(かん)枝(し)と呼ばれる器官でつかまっていますが、周囲の環境が悪くなったりすると腕を交互(こうご)に振って泳ぐように体を移動することもあります。
コマチガニやコマチコシオリエビなどの甲殻類(こうかくるい)が腕の付近に潜(ひそ)んでいることが多くウミシダの捕まえた餌(えさ)を横取りしたり、ウミシダの体液を栄養源としたりして共生(きょうせい)していることも知られています。
展示飼育している個体は当館の職員が駿(する)河(が)湾(わん)で潜水(せんすい)採集(さいしゅう)しました。(深田 鉄夫)

投稿者: スタッフ 日時: 2007年06月01日 08:06 |