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(No.22)往年のスーパーアイドル ~ウーパールーパーはなぜ白い?~

1980年代に突如(とつじょ)現れたその奇妙(きみょう)な容姿(ようし)の動物は、瞬(またた)く間に全国の人気者となりました。ウーパールーパーです。ウーパールーパーと聞くと、白色の体をイメージされる方が多いと思います。しかし彼らは、本来メキシコサラマンダーと呼ばれるサンショウウオの仲間で、体色は黒いはずなのです。では、体色の白いウーパールーパーとは何者なのでしょう。
サラマンダーの幼体は水中で暮らし、鰓(えら)呼吸をします。成長するにつれて鰓がなくなり、陸上で暮らすようになります。しかし、中には成長の過程で鰓が無くならず、幼体のまま成熟してしまうものがいます。(例:オタマジャクシがカエルにならずに生きていくようなものです。)これをアホロートルと言います。
動物全般に見られることですが、アホロートルの中にもアルビノ種と呼ばれる酸化(さんか)酵素(こうそ)の働きが不完全で、色素が形成されない個体がいます。体が白っぽく、眼球が赤くなります。この体色の白いアホロートルに付けられた俗称(ぞくしょう)が、「ウーパールーパー」だというわけです。
アホロートルとウーパールーパー。どちらも間の抜けた名前ではありますが、ウーパールーパーとは現地の言葉で「愛の使者」という意味があります。意外にも素敵な愛のキューピットなのかも知れませんね。(今城悠二)

投稿者: スタッフ 日時: 2007年07月01日 19:20 |