(No.27)ミズクラゲ・・・ クラゲの一生
みなさんはクラゲと聞くと、どんな事を連想(れんそう)しますか?海中をプカプカと浮かんでいる姿や、なかには海水浴でクラゲに刺されて、悲惨(ひさん)な目にあったときのことを思い出す方もいるはずです。けれどもみなさんが遭遇(そうぐう)した姿はクラゲの一生のほんのひとこまに過ぎないのです。
それはクラゲ世代とポリプ世代の2世代があります。雄のクラゲの精子が海中に放たれ雌のクラゲに取り込まれ受精(じゅせい)した卵が繊毛(せんもう)を持つプラヌラと呼ばれるものに変化し泳ぎだします。ここまでを有性生殖(ゆうせいせいしょく)といいます。やがて海底(かいてい)の岩や海藻(かいそう)、貝の殻(から)などに着床(ちゃくしょう)したプラヌラは次にポリプと呼ばれる16本の触手(しょくしゅ)を持ったイソギンチャクに良く似た姿に変化し、固着(こちゃく)生活(せいかつ)に移ります。ポリプは分裂やストロンとよばれる走(そう)根(こん)をのばし、次々に自らの分身(クローン)を増やします。これを無性(むせい)生殖(せいしょく)といいます。 ポリプは環境(かんきょう)が変わらないとポリプのままですが、春先に水温15℃前後になるとしだいにくびれが生じ、松かさが重なったような形になり(横(おう)分裂(ぶんれつ))、やがて一枚ずつ離れ始めます。これをストロビレーションといい、離れたものはクラゲの幼生でエフィラと呼ばれ海中を泳ぎだします。エフィラには雌雄(しゆう)があり、茶褐色で八枚の縁(えん)弁(べん)があり、プランクトンを捕らえ成長します。1~2週間経過(けいか)するとしだいに乳白色に変色したメテフィラになり、さらに1~2週間で稚クラゲに成長し、半年から1年かけて大人のクラゲになります。
海中をプカプカのんびり漂(ただよ)うクラゲにも複雑(ふくざつ)で不思議な一生があるのです。(深田 鉄夫)
投稿者: スタッフ 日時: 2007年11月01日 18:52 | パーマリンク