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(No.49)日本一標高(ひょうこう)が高い海水水族館

皆さんはご存知(ぞんじ)でしょうか?、標高723mに位置するここ箱根園水族館は日本一標高が高い海水水族館なのです。入館してすぐ目の前に飛びこんでくる1000tを超(こ)える魚類大水槽や、サメ水槽、クラゲ水槽、熱帯魚水槽等(とう)、山の中とは思えない美しい水槽が並(なら)んでいます。
それではこの美しい水槽の海水を海から遠く離(はな)れた山の中でどのように維持(いじ)しているのでしょうか。人工海水を利用する水族館もありますが、私たちは天然(てんねん)海水を使用しています。実は、静岡県沼津(ぬまづ)市から1日2回、10tずつの計20tをタンクローリーで片道1時間半かけて毎日輸送(ゆそう)しています。
20tといえば家庭の浴槽(よくそう)でおよそ100杯分(ぱいぶん)に相当(そうとう)します。ものすごい量に思われますが、これは、1000tクラスの水槽を有(ゆう)する当水族館の総(そう)海水量の1~2%に過(す)ぎないのです。ですから、当館は目の前の海から大量の海水を利用できる海辺(うみべ)の水族館と違(ちが)い、使用できる海水は常(つね)に限(かぎ)られています。
この限られた海水を無駄遣(むだづか)いしないために、各水槽の補(ほ)給水(きゅうすい)が多すぎて海水を無駄にしていないか?、逆に少なすぎて水質に影響(えいきょう)を及(およぼ)ぼしていないか?、を気にかけています。また輸送海水は専用(せんよう)の海水受(じゅ)水槽(すいそう)に入れるので、次回の海水が確実(かくじつ)に入るように調整(ちょうせい)をしなくてはなりません。
水族館は普段(ふだん)は見られない生物を見ることができてとても楽しいところです。しかし、その裏(うら)では生物だけでなく、水を扱(あつか)う仕事も行われています。今後水族館に行かれた際(さい)には、このような水のことも考えながらご観覧(かんらん)いただければ、より一層(いっそう)楽しめるかもしれません。(鈴木 智久)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月05日 14:46 |