今年4月、当館では初となるオヤニラミの稚魚(ちぎょ)が生まれました。
オヤニラミの名前の由来は諸説(しょせつ)ありますが、一説によるとそれは子育てにあるようです。オヤニラミの子育てはオス親が行います。オスは縄張(なわば)り意識が強く、卵を産んだメスさえも縄張りから追い出してしまうほどです。自分の縄張り内に産まれた卵を大切に育て、苦労をかけて守り抜き、外敵に対して睨(にら)みを利(き)かせているその姿からこの名前が付けられたと言われています。
このように攻撃的な性格を持ち、同種間でのケンカも多く見られます。ふ化した稚魚たちもお互いに共食いをすることがあります。稚魚は食欲旺盛で、餌にも勢いよく食らいつきます。当館でもすくすくと育ち、順調に大きくなってきました。しかし、飼育下では元気に育っているオヤニラミですが、自然界ではその数が激減しています。いまでは絶滅(ぜつめつ)危惧(きぐ)種(しゅ)に指定されるほどです。これからも父親の愛を応援したいものですね。
(高山詩織)
投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月05日 15:01 | パーマリンク