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(No.53)大きくなったら大変身!? ~ナンヨウツバメウオ~

平たい円盤状(えんばんじょう)の体に広めのおでこが目立つ変わった姿(すがた)。マンジュウダイ科に属(ぞく)す魚の特徴(とくちょう)です。その中にツバメウオという魚がいます。世界中の暖かい海や汽水域(きすいいき)に分布していて、日本ではツバメウオ・ナンヨウツバメウオ・ミカズキツバメウオ・アカククリの4種類が見られます。当館ではツバメウオとナンヨウツバメウオとアカククリを展示(てんじ)しています。
ところで、漢字で表すと燕魚(つばめうお)と書きますが、その名前の由来(ゆらい)は幼魚の時代の姿にあるようです。
背鰭(せびれ)と尻(しり)鰭(びれ)が上下に長く伸び、まるでツバメが飛んでいる姿のようだというのが一説(いっせつ)にあります。
しかし、残念ながらツバメの姿でいるのも幼魚の間の数ヶ月ほどだけです。成長するにつれて大変身を遂(と)げる魚の仲間なのです。
ナンヨウツバメウオは伊豆半島の海などでも観察できます。幼魚は茶色くて薄(うす)っぺらでひらひらと海面に漂(ただよ)っていることが多く、一見、枯(か)れ葉にしか見えません(これを擬態(ぎたい)といいます)。未熟(みじゅく)な幼魚は、植物だったり動物だったり、枯れ葉のような、どこにでもあるものを利用して生きているのです。生き物たちは、厳(きび)しい自然界を生き残っていこうとするたくましい力をみせてくれます。今、海水館では色々な成長段階(だんかい)のナンヨウツバメウオを展示しているのでぜひご覧(らん)になって下さい。(野村 俊介)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月05日 15:07 |