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(No.56)マウスブリーディング ~母の愛~

魚の育児方法は種類によって異なり、大変興味深いものです。中でも、一部のシクリッドの仲間は「マウスブリーディング」と呼ばれる珍(めずら)しい手法をとります。
母親となるメスは、自分で産み落とした卵をすぐに口に含みます。一見、卵を食べてしまったかのようにも見えますが、これが「マウスブリーディング」です。多くの魚は、岩陰(かげ)や水草の陰などに卵を産みますが、これは卵を守るためです。卵やふ化したての稚魚(ちぎょ)は外敵に狙(ねら)われることが多いため、物陰で見つかりにくいように育てていくのです。これに対し、「マウスブリーディング」を行うものは、物陰よりもさらに狙われにくい安全な場所を選びました。それが母親の口の中というわけです。口の中にいれば、外敵から襲(おそ)われる心配はありません。卵がふ化し、稚魚が成長するまで、母親は大事に口の中で育てます。やがて稚魚が大きくなってくると、少しずつ母親の口から出てきますが、一度(ひとたび)身の危険を感じるとすぐさま母親の口へと戻ってしまいます。優しく育てられるその姿に子を思う母親の愛情を感じます。
コミュニケーションが希薄(きはく)になっていると言われる昨今(さっこん)、魚の親子にも学ぶべき点はあるのかもしれませんね。
(今城悠二)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月17日 13:58 |