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淡水館 アーカイブ

2007年05月22日

(Vol.2)鳥の羽-なぜ鳥の羽はぬれないのでしょう?

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オシドリ
英名 Mandarin Duck
学名 Aix galericulata

羽毛(うもう)は鳥類にとって体を保護する大切なものであるため、様々な手入れが必要です。手入れの方法として、水浴び、日光浴、羽づくろいなどがあげられます。羽毛は、ケラチンというタンパク質でできています。哺乳類(ほにゅうるい)の毛や爪も同じ成分でできています。羽毛は柔軟性(じゅうなんせい)があり、軽くて強いものですが、当然すりきれたり裂けたりするため、ときどき生え換わる必要があります。これを「換羽(かんう)」といいます。大部分の鳥は年に一回換羽しますが、換羽を完了するのに数年かかる鳥もいます。尾羽(おばね)の付け根の羽をかき分けてみると、脂腺(しせん)という脂(あぶら)分を含む物質を分泌(ぶんぴつ)する腺があります。脂腺はイボのような形をしていて、鳥たちはクチバシでここから分泌物をしぼりとり、羽毛に塗りつけます。このように脂分を塗ることによって水分の吸収を防ぎ、体温を維持(いじ)することができるのです。当館では、ペンギン、アメリカオシをはじめ、脂腺が発達している海鳥や水鳥の仲間を飼育しています。羽づくろいや水浴びをしている様子を観察してみて下さい。

飼育係:吉原 亜沙美

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月22日 19:26 |

(Vol.7)世界最大の両生類-オオサンショウウオ

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オオサンショウウオ
英名 Giant salamander
学名 Andrias japonicus

オオサンショウウオは日本の固有種で山間部の河川にひそむ世界最大の両生類です。多くの両生類はカエルに代表されるように生まれたときはエラを持ち水中生活をし、成長するにしたがって肺呼吸になり陸上で生活をしますが、オオサンショウウオは変態しても一生を水の中で暮らします。現在では生息数も少なく国の特別天然記念物に指定されています。
気になる大きさは全長1.5m以上、体重は30kg近くになります。当館で飼育しているオオサンショウウオは50cm程ですが、大きな頭に大きな口、どっしりとした体つきは、まさに清流の主、仙人の風格さえ感じさせます。いつもはのんびりとしてあまり動かないオオサンショウウオもエサが口元にくると素早い動きでエサを丸呑みにし迫力ある姿を見せてくれます。また、夜行性である彼らは夜間の動きは活発。夜中に持ち前の怪力で重たい石で固定してあった仕切りをこじ開けて、となりの水槽に脱走してしまった事もありました。両生類独特のグロテスクな風貌のオオサンショウウオですがじっくり眺めていると体のわりに小さな手足、近くで見ないと分からないほどのつぶらな瞳、水から顔を出し面倒臭そうに呼吸する姿に癒されるのは私だけでしょうか?
当館にはオオサンショウウオの他、オープン以来25年以上飼育されているチュウゴクオオサンショウウオやよく見ると結構ハンサムなヒキガエル、かわいい容姿のウーパールーパーなど7種類の両生類を展示しています。個性豊かな彼らに是非会いに来てみてください。

飼育係:森田 大輔

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月22日 19:49 |

2007年05月23日

(Vol.8)水鳥の仲間たち-カモとシギ

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ソリハシセイタカシギ
英名 Pied Avocet
学名 Recurvirsottra avosetta

カモ科の鳥は主に湖沼(こしょう)や海岸にすみ、種子や水ゴケなどの植物性のものや、貝や昆虫などの動物性の餌を採っています。嘴(くちばし)は餌の採り方に大変適しており、平らで内側には櫛状(くしじょう)の突起が発達して、小さな餌を濾(こ)しとって食べています。
シギ科の鳥は干潟(ひがた)や湿地にすみ、とても多様な形態を持っています。当館で飼育しているソリハシセイタカシギは長い脚とスマートな体、反(そ)り上がった嘴が特徴です。爪が小さくあまり発達していないのは、地上を歩いたりするのに適しています。しかし、ソリハシセイタカシギには足に水かきが付いているため、とても上手に泳ぐ事ができます。
水鳥達は警戒心(けいかいしん)が強く、大きな音や派手(はで)な色の物にはとても敏感(びんかん)です。警戒されると餌を用意しても食べにこないという事もあります。そのため、水鳥の部屋に入る時は驚(おどろ)かさないように注意しながら掃除(そうじ)などをしています。皆さんも鳥や動物を観察する時は驚かさないよう温かい気持ちで見守ってあげて下さい。

飼育係:冨江 亮輔

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 10:26 |

(Vol.9)発電する魚-デンキウナギ

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デンキウナギ
英名 Electric eel
学名 Electrophorus electricus

デンキウナギは、アマゾン河の下流域に生息している発電魚です。なぜ、魚類が発電するのでしょうか?この疑問には様々な説があります。仲間同士の連絡や餌をとるため、外敵から身を守るためなどです。デンキウナギの場合、常に弱い電気を放出し、これによって進む方向を決めたり、障害物を避けたりしています。これは方向を認識するために使われていると考えられています。実際に水槽内を観察していると、障害物や水槽にぶつかる事はほとんどありません。また、デンキウナギは650~850ボルト発電すると言われています。
そのため、体に触れると激しいショックを受けて馬でも感電死すると言われています。この魚は非常に眼が小さく、成長するに従い盲目になると言われています。水槽内で餌を探す時は、眼で餌を見つけることは出来ません。そのため、嗅覚も非常に発達しています。発電しながら餌の匂いがする方向に泳いで行き、餌を見つけると素早く飲み込みます。発電する魚は、世界に200種類ほどが知られていますが、なかでもデンキウナギの発電力は非常に強いため、私たちもこの魚の取り扱いには、充分に注意を払っています。

飼育係:長谷川 勇司

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 10:42 |

(Vol.11)金魚-はじめは貴重な魚だった!

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左写真が金魚としてお馴染みのワキンで、
右写真は金魚の祖先にあたるギンブナです。
どことなく体型が似ていると思いませんか?

金魚は日本で最も多く飼育されている魚です。誰もが一度はペットショップや屋台の金魚すくいなどで見た事があると思います。そんな金魚ですが、初めて日本にやって来たのは約500年前になります。最初は貴重な魚であまり一般には知られていませんでしたが、江戸時代後半には少しずつ庶民にも広まっていき観賞したり、改良して新しい品種を作るなど、金魚はたくさんの人に親しまれるようになりました。
よく寿命がつきるのが早いと思われがちですが、金魚は本来とても丈夫な魚です。水温の変化にも強いため水換えや餌などの世話をしっかりすれば15~20年は生きるとされています。
当館では今年6月より特別展『THE☆金魚』を開催しています。色、形、尾びれなどさまざまな種類の金魚を展示しているのでそれぞれの特徴をゆっくりご観賞ください。


飼育係:冨江 亮輔

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 11:31 |

(Vol.13)ピラニア-神経質で臆病な魚?

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ピラニア・ナッテリィ
英名 Red-bellied piranha
学名 Serrasalmus nattereri

南米アマゾンは熱帯性淡水魚の宝庫。その中で最も有名な魚は「ピラニア」。テレビや映画などで人喰い魚として物騒なイメージが人々の興味を引いたからでしょう。
一口にピラニアといってもアマゾン河水系を中心に30種を超え、大きさや食性も様々で体長50cmにもなる種類や、植物の種を主食としている種類、中には他の魚の鱗を主食としている変わり者までいます。箱根園水族館で展示しているピラニア・ナッテリィは鋭い歯をもつ肉食性のピラニアで魚や甲殻類、虫などを主食としており、もちろん河に落ちて溺れてしまった大型哺乳類(牛やヒト)を集団で食べることもまれにあるといわれています。
しかし、実際にピラニアを飼育していると、獰猛なイメージとは裏腹に大変、神経質で臆病な面をみせてくれます。水槽の前を人が通るだけでザワつきだし、水槽を叩いたりしたらもう大パニック、アクリル面に激突してケガをしてしまうほど臆病な魚なのです。当館にお越しの際は、どうか彼らを脅かさないようにご配慮願います。


飼育係:森田 大輔

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 11:55 |

(Vol.16)ブラインドケーブカラシン~盲目のサバイバー~

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ブラインドケーブカラシン
英名 Blind cavefish
学名 Anoptichthys jordani

ブラインドケーブカラシンはカラシン科の中でも洞窟内に生息する大変珍しい種類です。真っ暗な洞窟の中ではほとんど物が見えません。そんな中でいったいどのようにして生き抜いていくのでしょう。彼らには眼がありません。暗い洞窟の中で生活する彼らには必要性が無いため、退化してしまったのです。生まれたばかりの稚魚には小さな眼がありますが、2週間ほどで薄い膜に覆われ、皮膚の中に埋もれてしまいます。
では、眼を失った彼らはどのようにして獲物を捕らえることができるのでしょうか。
また、岩などにぶつかることは無いのでしょうか。彼らは、眼を失った変わりに側線器官を発達させました。これは人間で言う耳の役割をします。水中での物音を敏感にとらえて獲物を捕まえているのです。つまり、見ることができなくなった彼らは、聴く、嗅ぐ、触る、などの他の器官を発達させることによって見事にその環境に適応して生き抜いているのです。動物の適応能力とはどれも素晴らしいものばかりです。


飼育係:今城 悠二

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 13:03 |

(Vol.17)カメ

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ミシシッピアカミミガメ
英名 Red-eared slider
学名 Trachemys scripta elegans

地球上で最初にカメが現れたのは、今から約2億1000年前といわれています。このときカメはもうすでにかたい甲羅を持っていました。甲羅を持っているというのはカメの最大の特徴であり、現在、過去を見渡しても甲羅のないカメはいません。この甲羅は皮膚が変化したもので、ほとんどが角質板という板で覆われています。
角質板は人間の爪と似た物質で幼体のころは柔らかいのですが、成長するとかたくなっていきます。
カメはよく飼いやすい動物だと思われがちです。しかし、実際にカメを飼育するならば設備と知識は必要不可欠になってきます。例えば、みなさんお馴染みのミドリガメ。
売られているのは大抵3~5cmの子ガメですが、成長すると甲長約20~30cmとかなり大きくなり、広い飼育スペースが必要になってきます。カメを飼育するときはしっかり計画を立てて、そしてたっぷりの愛情を持って飼ってあげてください。
当館では9月より「世界のカメ展」を行っています。世界のいろいろなカメをじっくりご観覧ください。


飼育係:冨江 亮輔

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 13:07 |

(Vol.18)コウライケツギョ~韓国からの使者~

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コウライケツギョ
英名 Siniperca scherzeri
学名 Steindachner

コウライケツギョは韓国では「ソガリ」と呼ばれ、朝鮮半島や中国の淡水のきれいな水域に生息する魚です。2002年のサッカー・日韓W杯(ワールドカップ)共催を記念して、横浜市と韓国・ソウル市の親善のためにソウルのコエックスアクアリウムから横浜・八景島シーパラダイスに贈られた魚です。
当時は体長15センチくらいで餌も生きた小魚しか食べず、いろいろな餌を試してみたり、糸などで餌を動かしてみたりと給餌には苦労しました。箱根園水族館に来てからは給餌の心配もなくアジ、オキアミなども食べるようになり、現在は30センチほどまで成長しました。普段は泳ぎまわることはほとんどありませんが、じっと餌が落ちてくるのを待ち構えていて、接餌の時は俊敏に動きます。また、ケツギョの仲間はとても美味で、中国では祝い事などに使われます。
日本の代表的な海産魚であるマダイのような存在です。


飼育係:伊藤 忍

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 13:24 |

(Vol.19)レッドテールキャットフィッシュ~南米の大型ナマズ~

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レッドテールキャットフィッシュ
英名 Redtailed catfis
学名 Phractocephalus hemioliopterus

レッドテールキャットフィッシュは尾が赤く、白と黒のコントラストが美しい大型ナマズの一種として、とても人気の高い観賞魚です。主にアマゾン川やオリノコ川流域に分布していて、アマゾン地域では食用となっていますが、味はあまりよくないようです。幼魚の特徴は、6本ヒゲがあり、尾は黒色をしておいますが、成長すると下顎の一対のヒゲがなくなって4本のヒゲとなり、尾は鮮やかな赤色に変化し、英名の由来にもなっています。
また、食欲旺盛で小型の魚など何でも食べてあっと言う間に大きくなり、最大前兆が1.5メートルほどにもなるので飼育する場合には注意が必要です。当館では、餌は毎日与えず週2回アジを2~3尾ほど与えています。
制御になっても愛嬌ある風貌の持ち主レッドテールキャットフィッシュをどうぞごゆっくりご観賞ください。

飼育係:清野 光香

投稿者: スタッフ 日時: 2007年05月23日 13:27 |

2007年07月01日

(No.22)往年のスーパーアイドル ~ウーパールーパーはなぜ白い?~

1980年代に突如(とつじょ)現れたその奇妙(きみょう)な容姿(ようし)の動物は、瞬(またた)く間に全国の人気者となりました。ウーパールーパーです。ウーパールーパーと聞くと、白色の体をイメージされる方が多いと思います。しかし彼らは、本来メキシコサラマンダーと呼ばれるサンショウウオの仲間で、体色は黒いはずなのです。では、体色の白いウーパールーパーとは何者なのでしょう。
サラマンダーの幼体は水中で暮らし、鰓(えら)呼吸をします。成長するにつれて鰓がなくなり、陸上で暮らすようになります。しかし、中には成長の過程で鰓が無くならず、幼体のまま成熟してしまうものがいます。(例:オタマジャクシがカエルにならずに生きていくようなものです。)これをアホロートルと言います。
動物全般に見られることですが、アホロートルの中にもアルビノ種と呼ばれる酸化(さんか)酵素(こうそ)の働きが不完全で、色素が形成されない個体がいます。体が白っぽく、眼球が赤くなります。この体色の白いアホロートルに付けられた俗称(ぞくしょう)が、「ウーパールーパー」だというわけです。
アホロートルとウーパールーパー。どちらも間の抜けた名前ではありますが、ウーパールーパーとは現地の言葉で「愛の使者」という意味があります。意外にも素敵な愛のキューピットなのかも知れませんね。(今城悠二)

投稿者: スタッフ 日時: 2007年07月01日 19:20 |

2007年08月01日

(No.24)イトウ ~幻(まぼろし)の魚と呼ばれて~

淡水館に入って最初に多くのお客様の目をひくのが、目の前を大きな体で悠々(ゆうゆう)と泳ぐイトウです。
「幻の魚」というキャッチフレーズが先行し、その姿や生態(せいたい)はあまり知られていないと思いますが、「幻の魚」と呼ばれる理由として、
①成長すると体長が1mを超え、国内において最大級の釣り対象魚(たいしょうぎょ)であり、釣り人にとって憧(あこが)れの魚だから
②治水(ちすい)工事などによる生息(せいそく)環境(かんきょう)の悪化により個体数が激減(げきげん)し、現在では国内において北海道の一部の河川にのみ生息しているためと考えられます。このように、「希少(きしょう)な魚である」という意味から「幻の魚」というキャッチフレーズで知られるようになったようです。
イトウは生息する河川の上流から下流までのほぼ全域(ぜんいき)を一生において必要とします。そのため、流(りゅう)域内(いきない)での治水工事などによる環境の変化のため、多くの河川において繁殖(はんしょく)が困難(こんなん)になり、個体数が減少しました。同様に減少したサケ・マスに比べ、水産(すいさん)資源(しげん)としての放流はあまり行われていませんが、いくつかの釣り場などでは養殖(ようしょく)・放流が行われているようです。
このような希少な生物を展示することにより、自然環境の悪化について多くの人に知ってもらい、
そして考えてもらうことも水族館の大切な役目なのです。(伊藤 忍)
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投稿者: スタッフ 日時: 2007年08月01日 19:38 |

2007年09月01日

(No.25)ピラルクー~世界最大の淡水魚~

ピラルクーは最大で体長4.5~5.2m、体重は200kgにもなると言われる世界最大の淡水魚の1つで、別名アラパイマとも呼ばれています。
南米のアマゾン川流域に分布し、熱帯の淡水域では酸欠(さんけつ)がおこりやすいので、ピラルクーはたまに水面に口を出して呼吸(こきゅう)をします。うきぶくろ(消化管(しょうかかん)の壁(かべ)の一部が変形したもの)を持っていて、このうきぶくろから肺のように空気呼吸ができるので、酸欠にならず生きていくことができます。
体は丸太のような形をしており、頭は横に、尾は縦に平たく、腹びれ・背びれしりびれ・尾びれは体の後半部についています。体色は黒色から銀色まで個体差があり、成魚になると体の後半部が赤くなるのが特徴(とくちょう)です。食性は肉食性で、生息地では小魚を食べています。当館ではアジを与えており、餌(えさ)にゆっくりと近づき、「ボン!」という音を立てながら餌を周りの水ごと一瞬(いっしゅん)で飲み込んで、あっという間に食べ終えてしまう姿がご覧(らん)いただけるかと思います。
また、生息地では重要な食用魚として先住民により古来から漁(りょう)が行われておりました。その影響で年々個体数が激減(げきげん)し、現在ではワシントン条約による保護動物に指定されています。
(清野光香)
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投稿者: スタッフ 日時: 2007年09月01日 19:55 |

2008年03月01日

(No.31)ペヘレイ ~王の魚~

ペヘレイは、アルゼンチンを中心とした中南米に生息する魚です。アルゼンチンでは釣(つ)りの対象魚として年中親しまれています。
 日本へは、昭和41年神奈川県淡水魚増殖(ぞうしょく)試験場に、原産地のアルゼンチンのチャスコム湖から移入されたのが始まりで、最近では神奈川県の丹沢(たんざわ)湖や相模(さがみ)川で放流が行われたり、山北(やまきた)町では養(よう)殖(しょく)が試(こころ)みられています。白身の魚で、味はサヨリやキスに近く、日本では刺身(さしみ)や天ぷらにして食べられています。また、南米では特に漁獲量(ぎょかくりょう)が多いようですが、刺身で食べることがめったになく、セビチェ(南米の代表料理のひとつで、油を使わず生の魚介(ぎょかい)をレモン汁に漬(つ)け込む料理)にしたり、小型のものは丸揚(あ)げにしたりするようです。
 ペヘレイという名前ですが、スペイン語で“Pez del Rey”日本語では“王の魚”とう意味になり、そこから来ていると言われております。約2年で成魚になり、体長10~50センチになります。また、産卵期間が長く、飼育環境下では2月~10月まで断続(だんぞく)的に産卵するのが特徴です。
 食性はプランクトンですが、時折(ときおり)昆虫類も食べ、大きく成長すると小魚も食べるようになります。
当館ではアミエビ(甲殻類(こうかくるい)の仲間)や赤虫を与えていますが、食欲旺盛(おうせい)であっという間に食べてしまいます。(清野 光香)

投稿者: スタッフ 日時: 2008年03月01日 09:54 |

2008年09月01日

(No.37)シナガチョウ 

ガチョウはニワトリとならんで、最も早くから人に飼われていた家禽(かきん)(野生(やせい)の鳥を人間の生活に役立てるために品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)したもの)です。そういえば、おとぎ話によく登場しますね。こんなところからも昔から人間の生活と深く関わっていたことがわかります。
品種にはヨーロッパで品種改良されたものと、中国で品種改良されたものがいます。
ヨーロッパで品種改良された種類は、ハイイロガンを原種(げんしゅ)としてエジプトで紀元前に家禽化されたもので、さらにドイツ、オランダで改良された白い体のエムデン種とフランスで改良され灰色の体をしたツールーズ種がいます。
当館で飼育している「シナガチョウ」は中国で品種改良されたサカツラガンを原種とした種類です。シナガチョウはくちばしの付け根にこぶのような突起(とっき)があることから、ヨーロッパ起源(きげん)のガチョウと区別することができます。
体色には、原種のサカツラガンに近い褐色(かっしょく)のものと全身が白色(はくしょく)のものの2タイプがあります。サカツラガンに比べ体はでっぷりとしており、飛ぶことは出来ません。
ガチョウの仲間は良い目と鋭(するど)い聴覚(ちょうかく)の持ち主なので人が近づくと鳴き出すことから,時には見張り役(番犬代わり)として使われます。
メスは1年で30個くらいの卵を産みます。当館では人工(じんこう)孵化(ふか)によりヒナが誕生(たんじょう)しています。黄色い産毛(うぶげ)におおわれた、ヨチヨチ歩きのヒナを見ていると思わず頬(ほお)が緩(ゆる)みます。しかし、そのかわいらしさは誕生してからほんの一時(いっとき)だけで、生まれて10週もすると見た目は親と同じくらいの大きさになります。
水族館敷地内(しきちない)の「古代(こだい)杉(すぎ)の池」で、桜・ハナショウブ・ツツジなど季節の植物に囲まれながら気持ち良さそうに泳ぐシナガチョウの姿を見ていると、とても心が和(なご)みます。みなさんもぜひ足を運んで下さい。(足立 円佳)
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投稿者: スタッフ 日時: 2008年09月01日 11:23 |

2008年12月01日

(No.40)カメ(続編)

当館では9月より世界の亀(かめ)展を行っています。今回は新たに加わった個体たちを紹介(しょうかい)していきます。まずは、淡水館に新たに設置されたのがリクガメスペース。ここにはケヅメリクガメが展示されています。アフリカの乾燥(かんそう)した地域に生息する亀で、ほとんど水を必要としません。植物の水分だけで十分なのです。ケヅメリクガメは世界で3番目に大きくなるリクガメで最大80cmになると言われていますが、当館の個体はまだ40cm程なのでまだまだ成長を続けていくと思われます。そしてミズガメコーナーに新たに加わったのがワニガメとカミツキガメです。この2種は同じカミツキガメ科という仲間ですが、まったく習性が違います。ワニガメはアメリカ最大のミズガメで80cmを超(こ)える個体もいます。顎(あご)の力もカミツキガメより強く、噛(か)まれると危険ですが動きが遅く首も短いため、扱(あつか)い慣(な)れればそれほど危険ではありません。それに対してカミツキガメは50cm程で力もワニガメに劣(おと)りますが、とても動きが素早(すばや)く首も長いため扱うのがとても難(むずか)しいカメです。ちなみに当館のカミツキガメは9月に平塚の道路を歩いているところを保護した個体です。おそらく飼いきれなくなって放流したものと思われますが、カミツキガメは日本に生息しているカメではありません。このようなカメ達が増えてしまうと野生の生態系に大きな影響(えいきょう)を与えてしまいますので、もしも飼育が困難になりましたらお近くの水族館や動物業者にご相談ください。(冨江 亮輔)
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投稿者: スタッフ 日時: 2008年12月01日 12:02 |

2009年02月01日

(No.42)サケの仲間 

世界中に生息しているサケ科の魚は、およそ9属(ぞく)70種にもおよぶといわれています。そのうち日本にもともと生息していたのは、イトウ属、イワナ属、サケ属の3属およそ10種ほどですが、ニジマスをはじめカワマス、ブラウントラウトなどの外国から移入された、いわゆる「外来(がいらい)種(しゅ)」が自然繁殖(はんしょく)している河川も増えてきています。
サケの仲間は様々な姿をしていますが、この仲間共通の特徴(とくちょう)があります。それは、背ビレと尾ビレの間にある小さな丸い突起(とっき)「アブラビレ」を持っていることです。他のヒレと異なり、骨もなく動きもしないので、何の役目をしているかは不明ですが、オスは大きくメスはやや小ぶりなので、雌雄(しゆう)の見分けるときの目印になります。
箱根園水族館では2007年12月現在、イトウ、ニジマス、ヤマメ、イワナなどを飼育しています。この「アブラビレ」を目印にサケの仲間を探してみてくださいね。
サケの仲間の多くは、川や湖、そして海で生活します。しかし、なかには川で生まれるとそのまま川(淡水)で生涯(しょうがい)を過ごすものと、海へ降りて成長するものとに、その生活(せいかつ)様式(ようしき)が分かれる種類がいます。
海で成長したものと、淡水だけで成長したものとでは、同じ種類でありながら、その姿形(すがたかたち)がかなり違いますし、その呼び名まで変わってしまいます。
例えばヤマメの場合、河川に残留(ざんりゅう)したものが3年間生きた場合、一般的には30cm程度ですが、これにくらべ海を回遊(かいゆう)しながら栄養を摂取(せっしゅ)した、ヤマメの降(こう)海型(かいがた)のサクラマスは60cmほどに成長します。サケ属の学名は、Oncorhynchus(オンコリンカス)。
ギリシャ語で「鉤状(かぎじょう)の鼻」という意味です。
サケ属のオスが成熟(せいじゅく)すると上アゴがのびて曲がってくる、いわゆる「鼻曲(はなま)がり」のようすが学名になっています。(足立 円佳)
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投稿者: スタッフ 日時: 2009年02月01日 12:16 |

2009年03月15日

(No.45)イモリの赤ちゃん誕生(たんじょう)

当館で飼育しているシリケンイモリが、昨年の12月に卵を産み、1月にイモリの赤ちゃんが誕生(たんじょう)しました。シリケンイモリは、奄(あま)美(み)大島・沖縄(おきなわ)島・渡嘉敷(とかしき)島に分布しており、全長は10~15cm、背中は黒や茶褐(ちゃかっ)色で腹側はオレンジ色や黄色をしています。体内にはテトロドトキシンという毒をもっていることから、この体色は警告(けいこく)色になっていると考えられています。繁殖(はんしょく)は、水温や地域により異なりますが、だいたい12月から7月ごろまで行われます。オスは繁殖期になると体の側面や尾に白や銀色の模様(もよう)があらわれ、これを婚姻(こんいん)色と呼びます。オスがメスに求愛(きゅうあい)するときは、シリフリンというフェロモンを出しメスを誘惑(ゆうわく)します。メスが求愛を受け入れるとメスはオスの後ろを歩き、オスが総排泄腔(そうはいせつこう)から精(せい)包(ほう)(精子の入った袋)を出すとメスはそれを自分の総排泄腔から体内に取り込み、産卵のときにその精子と卵を受精させ総排泄腔から産み落とします。卵はゼリー状の膜(まく)に包まれ、池や沼など流れの弱い水溜(みずたま)りや、水草に一個ずつ産み付けられます。卵は約40日でふ化し、手も足も生えておらず親とはかけ離れた姿(すがた)で生まれます。この時期は幼生と呼ばれ外(がい)鰓(さい)という鰓(えら)を持っています。赤ちゃんのうちは魚のようにこの外鰓で呼吸を行っています。卵から出て三ヶ月ほどたつと鰓がだんだん小さくなり、親と同じ肺呼吸に変わっていきます。(高山 詩織)
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投稿者: スタッフ 日時: 2009年03月15日 14:01 |

2012年10月05日

(No.51)頑張れ、とうちゃん!! ~オヤニラミ~

今年4月、当館では初となるオヤニラミの稚魚(ちぎょ)が生まれました。
オヤニラミの名前の由来は諸説(しょせつ)ありますが、一説によるとそれは子育てにあるようです。オヤニラミの子育てはオス親が行います。オスは縄張(なわば)り意識が強く、卵を産んだメスさえも縄張りから追い出してしまうほどです。自分の縄張り内に産まれた卵を大切に育て、苦労をかけて守り抜き、外敵に対して睨(にら)みを利(き)かせているその姿からこの名前が付けられたと言われています。
このように攻撃的な性格を持ち、同種間でのケンカも多く見られます。ふ化した稚魚たちもお互いに共食いをすることがあります。稚魚は食欲旺盛で、餌にも勢いよく食らいつきます。当館でもすくすくと育ち、順調に大きくなってきました。しかし、飼育下では元気に育っているオヤニラミですが、自然界ではその数が激減しています。いまでは絶滅(ぜつめつ)危惧(きぐ)種(しゅ)に指定されるほどです。これからも父親の愛を応援したいものですね。
(高山詩織)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月05日 15:01 |

2012年10月17日

(No.56)マウスブリーディング ~母の愛~

魚の育児方法は種類によって異なり、大変興味深いものです。中でも、一部のシクリッドの仲間は「マウスブリーディング」と呼ばれる珍(めずら)しい手法をとります。
母親となるメスは、自分で産み落とした卵をすぐに口に含みます。一見、卵を食べてしまったかのようにも見えますが、これが「マウスブリーディング」です。多くの魚は、岩陰(かげ)や水草の陰などに卵を産みますが、これは卵を守るためです。卵やふ化したての稚魚(ちぎょ)は外敵に狙(ねら)われることが多いため、物陰で見つかりにくいように育てていくのです。これに対し、「マウスブリーディング」を行うものは、物陰よりもさらに狙われにくい安全な場所を選びました。それが母親の口の中というわけです。口の中にいれば、外敵から襲(おそ)われる心配はありません。卵がふ化し、稚魚が成長するまで、母親は大事に口の中で育てます。やがて稚魚が大きくなってくると、少しずつ母親の口から出てきますが、一度(ひとたび)身の危険を感じるとすぐさま母親の口へと戻ってしまいます。優しく育てられるその姿に子を思う母親の愛情を感じます。
コミュニケーションが希薄(きはく)になっていると言われる昨今(さっこん)、魚の親子にも学ぶべき点はあるのかもしれませんね。
(今城悠二)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月17日 13:58 |

(No.58)「温泉アザラシ・ビリー君」登場

既(すで)に皆(みな)さん新聞やテレビ、インターネット(世界配信もされています)等で見たり聞いたりした方も多いと思います。ここではビリー君が温泉芸(げい)を覚えるまでの一部を紹介(しょうかい)します。
 まず、なぜ温泉芸を始めたのか?、実はアザラシ達が暮(く)らすプールは真冬になると外気との温度差のため湯気(ゆげ)が立のぼるのです。そんな中で水面から顔を出して目を細める姿が温泉につかっているようなので温泉芸を思いつきました。
 今では簡単(かんたん)に桶(おけ)を持ち、手(て)拭(ぬぐ)いを載(の)せていますが、ここまでくるのには苦労の連続(れんぞく)でした。手で物を持つことを知らなかったので、物を持つ訓練から始めました。最初は小さいボールを持つことから始め、徐々(じょじょ)に大きいボールにチャレンジしました。小さいボールはすぐに持てるようになりましたが、大きいボールは難(むずか)しいようで、持とうとすると前脚(まえあし)から逃げてしまいます。根気よく訓練を続けることでようやくボールを持つことができました。そして、いよいよ桶です。
 桶を持つ訓練を始めると、ボールと同じように持とうとしましたが、桶はさらに大きく、形も違(ちが)うために、桶の淵(ふち)に前脚が当たり、持つことができません。しかし、訓練を日々重ね、前脚を大きく広げて、桶を横から持つことができました。そして、ついに温泉芸ができるようになりました。
いかがでしょうか?、これが「温泉アザラシ・ビリー君」登場までの訓練の一部です。現在はさらなる特訓(とっくん)をつんでいます。皆さんぜひバイカルアザラシショーでのビリー君の温泉芸を見てくださいね。
(鈴木智久)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年10月17日 14:21 |

2012年11月26日

(No.62)新展示水槽「好適(こうてき)環境(かんきょう)水(すい)」 ~奇跡(きせき)の水~

今夏(こんか)当館では、新展示と致しまして、好適環境水なる特殊な水を使った水槽をオープンしました。何やら難しそうな名前と思われた方もいるかも知れませんが、話は単純で、普通の水に専用の粉末(ふんまつ)を溶かすだけで、海水魚と淡水魚が一緒に飼えるようになる水槽というものです。
使用法や見た目によく似た、人工海水という製品がありますが、そちらは海水のコピーであって海水魚限定、しかも高価な為、主にセレブな方が使うようです。さて、お話は数年前にさかのぼります。地方の山あいにあった、ある専門学校では、実験で使う貴重な海水を巡(めぐ)って度々ケンカが起こりました。困った先生は、何とかして海水よりも安く海のお魚が飼える水は作れないかと思案(しあん)していました。そして数年後新しい水の開発に成功しました。好適環境水を完成させたのです。輸送海水や人工海水よりも低コスト、海水でもなく真(ま)水でもないので通常の病原菌などにかかりにくく、真水に近い性質から排水処理コストが小さくエコロジー。正に奇跡の水です。先生はこうして無事、海水争奪(そうだつ)事件を解決し、さらに山で海水魚を養殖しようと計画しています。そしてまた、不思議な現象(げんしょう)が実現しました。そうです、好適環境水の特殊な性質から、海水魚と淡水魚が一緒にすめるという、ありえない環境が実現したのです。
キンギョやニシキゴイなど私たち日本人にとても馴染(なじ)み深いお魚と、皆さんもよくご存知のカクレクマノミや小さくて青いスズメダイの仲間など南の海のお魚が一緒に泳ぎます。そんなことが可能なの?と思われた方、もっと詳しく知りたい!と思われた方、そんな方々にこそ、ご自分の目で見て確かめて頂きたいと思います。8月8日(土)淡水館にてオープンしました!! (野村 俊介)
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投稿者: スタッフ 日時: 2012年11月26日 11:53 |