山口路子のMODEな軽井沢
毎週月曜日「プチ・ファッション・コラム」 毎週金曜日「今週の軽井沢エトセトラ」
腕時計の思い出◆
March 15, 2010
20代の中頃から終わり頃にかけての5年間くらい、腕時計に凝っていました。
当時は海外に出かけることが多くて、一つの都市で一つ、というかんじで、旅の思い出っぽいコレクションをしていたのです。
一流ブランドの高価なものではなく、たまたま入ったお店に気に入ったデザインのものがあれば買う。
そうして、面白い形の時計を集める事が楽しく、毎日違った時計をして出かけていました。
携帯電話が普及する以前の話です。すごい昔話をしているように思えてきました。
それからときが経ち、身辺事情の変化で海外へも出かけなくなり、私は腕時計に興味を失いました。
気が変わったのです。
腕時計をしないことは「時間に束縛されないで生活したい」という信条の象徴よ、なんて言っていました。
思えば、あの頃は、手には時計をふくめ、指輪もしない、ノーアクセサリーに徹することにひとりで喜んでいた時代でした。
そんなこんなと、腕時計についての想いをめぐらせることになったのは、とあるところで手に取った雑誌の一ページを読んだからでした。
(STORY 3月号)
「進化するブランドSTORY」という連載で「フランク・ミュラー」が取り上げられていました。
フランク・ミュラー。
1958年スイス生まれの「20世紀の天才時計師」。
「腕時計」という枠から大きく飛躍した時計を作ることで有名です。
たとえば、「クレイジー・アワーズ」。
これは文字盤の数字が、順番に並んでいなくて、あちこちに飛び散っていて、だから針は時刻が変わる度に、あちらこちらに行き来するのだそうです。これ、すごく見てみたいです。
日に焼けると、文字盤の色が変わってゆく「カラードリーム」もあります。
カジノのルーレットが文字盤に描かれている「ヴェガス」もあります。
……。
雑誌をじっと眺めていたら、また、日本から出て、どこか異国の町で、気に入った腕時計を買いたい、そんな欲望がつきあげてきてしまいました。
パフューマジックのホワイトデイ★
March 12, 2010
若さあふれるひとたちに人気のある香りを知るべく、プリンス、ニューウエストの「パフューマジック」行ってまいりました。
きらきらと輝く店内に一瞬目がくらみます。かわいらしいお店の方に、「いま人気のある商品」について伺いました。
まずは、きらきら輝くなかでも、ひときわ輝いていたこちら。
「Magic to Love サクラベリー2010」の「限定コフレ」。
オードパルファムとヘアコロンのセットです。
これ、どんな香りかといいますと……。
(*注*ネットで調査、以下同様)
***
「さくら咲く、恋も咲く。」
「その恋、咲きますように。」
甘く切ない可愛らしい乙女の恋心を表現した『マジック トゥ サクラベリー』。
サクラやチェリーの香りがトップに香り、可愛い女の子を演出してくれます!
甘く爽やかな香りは、男の子ウケ抜群!
***
なのだそうです。
つい手を出したくなります。年齢忘れて。
次、まいります。
「ジバンシー」からです。
「ジャルダン ダンテルディ スプリングメロディ」
ジバンシー春の限定シリーズ2010年版です。
***
小鳥がさえずり、花々が香る、幸せな春の息吹。
あまりの美しさに、立ち入ることが許されない秘密の庭。
(略)
果実の爽やかな甘さと春のブーケのような華やかさに、木漏れ日を思わせる
アクセントを添えたフローラル フルーティ グリーンの香り
なのだそうです。
***
秘密の庭……という言葉に惹かれます……
三つ目はこちら。
「ブルガリ」からです。
「ブルガリ ブルー オードトワレ エテ 2010年度限定版」
***
希少で高品質な天然香料をふんだんに使った、はじけるようなセンシュアルな香り。
(略)
海辺のそよ風のような、シトラスとすっきりとしたミントのフレッシュで光り輝くようトップノート。ミドルノートはフローラルアンバーをベースとした温かい砂を思わせる香り。そしてクールなシナモンと溶け合い、ベンゾインやマツの木の希少な樹脂から得られるファーバルサムが深みを加えます。
***
温かい砂を思わせる香り……に惹かれます……
「恋も咲く」か「秘密の庭」か「温かい砂」か。
明後日はホワイトデイ。
パフューマジックで、一緒にお気に入りを選んでみてはいかがでしょうか。
受け身のファッション◆
March 8, 2010
先日、ひさしぶりにひとりきりで新宿を歩いて、いつもは行かないお店をいくつかのぞいて来ました。
若い女の子たちをターゲットにしたお店です。
ストレッチの黒いスカートがあったので、つい手にとって見ていると、お店のお姉さんがさかんに勧めます。
お姉さんに教えてもらって気づいたのですが、そのスカートは、ところどころシースルーになっているのでした。
わあ。
さすがに年齢が許されないと思って買いませんでした。
それにしても新宿駅周辺は、銀座とはまったく違った色彩です。
おもいきった色彩やかたちのファッションをして楽しそうに歩いている人たちが多いので、ついまじまじと見てしまいます。
そのとき、「ああ、あれだ」と思い出した言葉がありました。
イギリス、「ダンディ」の権化であるジョージ・ブランメルの言葉でした。
彼は言っています。
「街を歩いていて、人からあまりまじまじ見られるときは、きみの服装は凝りすぎているのだ」
もちろん、なににしても「~しすぎ」はよくないので、「ダメだよ、それ」という意味です。
それで、家に帰って生田耕作の名著『ダンディズム――栄光と悲惨』を読み返して、それからふと『てつがくを着て、まちを歩こう』(鷲田清一著)を手に取り、読んでいましたら、ブランメルが出てきてびっくりしました。(精読していなかったということです、いままで)
鷲田氏は私と同じブランメルの言葉を引用して、さらに次のように言っています。
「ひとは目立つ服を着ることで、つまり引き算ではなく足し算で「個性」を表現しようとする」
でも、それは、
「他人の視線の対象となることで、自分の存在を確認していたいという受け身のファッションである」
とおっしゃいます。
それをさらに発展させて、
「そこには『愛する』というより『愛させてほしい』、『信じる』というよりも『信じさせてほしい』といった受け身の生き方、『癒されたい』という待ちの姿勢に通じるものがある」
とおっしゃるのでした。
面白い考え方だなあ、と思います。
自分はどうなのか、受け身のファッションなのか、それとも……なんてことを考えるのに、よいテキストでした。
くるみもなか物語★
March 5, 2010
個人的な用事で、プリンス、ウエストの「しらかば」に行ってまいりました。
なので、本日はその物語です。
とあるところに住む、73歳の元気な女性から、電話がありました。
「昨日、近くに住む姉と会ったのだけど、ふたりで、『ああ! あの“くるみもなか”が食べたい!』って言っていたの。忙しいかとも思うんだけど、買ってきて送ってくれる?
そうそう! なるべく製造年月日が新しいのをお願いね。いろいろ試してきて、新しいのが私たちは好きなの!」
そういえば73歳の元気な女性は、軽井沢に来るたびに、必ず、そう、どんなに時間がなくても必ず、白樺堂の「くるみ最中」を買って帰るのでした。
私は「しらかば」でお店の方に尋ねました。
「とある、くるみ最中ファンから一番新しいのがいい、って頼まれて来たのですが、どれでしょうか」
すると、お店の方はおっしゃいました。若い女性の方でした。
「お時間数分いただけますか?」
「はい」
私はいったい何が起るのかと、中の様子を覗き込みました。
そしてびっくり。
なんと、彼女は、ばら売りのものをひとつづつ、年月日を確かめながら箱に詰めてくださっていたのです。
感激しました。
箱詰めのものはちゃんとあるのに。そのなかから一番新しいのを渡しちゃえば済むことなのに!
(注:混雑時などに、このコラムを引き合いに、ワガママを言ったりしてはいけません、と思います)
私はお店の方にお礼を述べ、「写真を撮らせてください」と図々しいお願いをしました。
家に戻り、73歳の元気な女性に電話をし、
「そういうわけでフレッシュなくるみ最中が行くでしょう」
と言いました。彼女はたいへんよろこびましたとさ。
以上、ある日の「くるみ最中」物語でした。
そして今、白樺堂のサイトを見てびっくり。くるみ最中は白樺堂の商品の中でも、もっとも歴史ある商品なのだそうです。50年の歴史があるのだそうです。
「白餡をコトコト、何時間もかけて、飴色になるまで煮込んだのが、おいしさの秘訣。昔ながらのこってり餡に、くるみ入りです。かなり甘いですが、古風ななつかしの味です」
と、ありました。
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