ジョゼフィーヌとストール◆

春です。
桜の季節は、寒暖の差が激しくて、とくに軽井沢に住んでいると、それを体感……どころか「痛感」せずにはいられません。
そして全国的に「もっとも服装に困る季節」、それが春といえましょう。
というわけで、今日はジョゼフィーヌのお話です。
皇帝ナポレオン・ボナパルトの皇后ジョゼフィーヌです。

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(↑「皇后ジョゼフィーヌの肖像」アントワーヌ=ジャン・グロ)

ナポレオンよりも6歳年上で、2人の子持ち未亡人、さらに他の男の愛人だったジョゼフィーヌ。彼女に惚れこんでしまったにナポレオンが熱烈にプロポーズして結婚。
このエピソードはあらゆる意味で古今東西の女性を勇気づけています。


最初はナポレオンの愛情がジョゼフィーヌのそれの何倍もあり、ジョゼフィーヌは浮気を繰り返すいけない妻でした。
けれど次第にこれが逆転、ジョゼフィーヌは貞淑な妻となりました。
すると今度はナポレオンが他の女に目移り、愛人マリアとの間に子どもができたこともあり、ジョゼフィーヌと離婚するのでした。
このエピソードは、いつの時代も、男女の愛情エナジーの法則は変わらないことをうったえています。


さて、ジョゼフィーヌといえば、薔薇。
たいへんな薔薇好きで、250種類もの薔薇を庭に植えていただけでなく、植物画家に薔薇の絵を描かせて記録に残しています。

そのほかにも、ジョゼフィーヌが熱狂的にもとめたものがありました。

それは、カシミアのストールです。
当時はギリシア風の服装(身体をしめつけないシュミーズドレスのようなもの)が流行していて、きっと寒かったのです。
だからストールが大活躍。
しかもカシミアの官能的な肌触り。いくら高価であろうと欲しい! ……その気持、いたいほどにわかります。

ジョゼフィーヌの肖像含めた三枚の絵をご覧ください。この時代のご婦人方がストールを愛用しているのが描かれています。

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(↑「クリスティーヌ・ボワイエ」アントワーヌ=ジャン・グロ)


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(↑「レカミエ夫人」フランソワ・ジェラール)

というわけで、「春だからジョゼフィーヌの話」→「春はストールがいいですよ」とつなげたいのです。
シワにならず、暑ければ手にもってもさまになり、羽織ればあたたかく、色彩のコーディネイトも楽しめる。それがストールなのです。

こちらのサイトで、とても高価な刺繍入りストールがありました。目の保養にどうぞ。



山口路子プロフィール写真

山口路子

プロフィール
作家。2001年に東京から軽井沢に移住。
著書に『彼女はなぜ愛され、描かれたのか』(すばる舎)などのエッセイ集、小説『女神<ミューズ>』(マガジンハウス)など。軽井沢を舞台にした作品としては、小説『軽井沢夫人』(講談社)がある。
公式ブログ*山口路子ワールド*
http://anais.cocolog-nifty.com/blog/

軽井沢・プリンスショッピングプラザ
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