サムソナイトな気分★

むかしむかし、「女子大生」をしていた時代のある夏のことです。
向学心というよりもミーハー心で、一ヶ月の語学留学をしたことがありました。
一ヶ月の語学留学。
帰国したら半月ですっかり語学が消えました。
失恋を癒すのは、恋していた期間の3倍の月日が必要、とはよく言われることですが、語学は失恋なんかと比べものにならないくらい、とってもスピーディーなのです。
                                                             
さて。
一ヶ月の留学をするために、いろいろとを準備することになりました。親のすねをかじるどころか、ぱくぱく食べていた私は、母と一緒に買い物に出かけたわけですが、そのとき、母はきっぱりと言いました。
「まずはスーツケースね。スーツケースは、なんたって、サムソナイトだからね」
というわけで、デパート(どこだったかすっかり忘れてしまった)で、サムソナイトの大きなスーツケースを買いました。それが私のサムソナイト初体験です。

当時も、そしてそれからも、深く考えることはしませんでしたが、母のあの言い方は、やけにきっぱりとしすぎているように思えます。なにか……、思い出か、あるいは他の理由があったのでしょうか……。

プリンスの「サムソナイト アウトレット」でそんなことを思い出して、それから、旅行したい病を発病してしまいました。これ、ほんきでむずむずとしてくるのですから大変です。
(ああっ、私ったら、なにをしているのだろう。むずむず。今すぐに旅立つべきなのに。むずむず。
こんなかんじになるのです)。

さて。

入口に置かれているスタイリッシュなスーツケースは「黒」と「赤」。好きな色です。
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「エアロ ピーシー」ライン。持ってみて、とても軽いことにびっくり。時の流れを強く感じました。「いまは、こんなにかるいんだねえ」とおばあちゃんのようにつぶやきたい。


次、ふと目をあげると、飛び込んできたのが、こちら↓

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「アレキサンダー・マックイーン」とのコラボレーションのラインです。素敵です。

このライン、ほかにもたくさんあって、オーストリッチの型押しのも素敵でした。一番気に入ったのはこの部分↓
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ファスナーの取っ手に、指紋が……。
アレキサンダーマックイーンの指紋なのです。こういう遊び心、好きです。
                                                             

それでも、店内にあるなかで、どれかひとつあげるよ、と言われたら(言われないけど)、私はこれを希望します。↓
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「ヴィンテージ」ラインのです。昔の映画女優の気分を味わえそうです。もちろん、コロコロついています、これを縦にして、コロコロ転がして、どこへ行きましょうか。
そうですね、モンテカルロ。
いかがでしょう。
どなたか、お願い。
                                                             

プリンスのサムソナイト。お店を出るときには、すっかり「機上の人」気分でした。
そして今、これを書きながら、旅行に出かけたいむずむずに、とっても困惑しています。
サムソナイトジャパンのサイトはこちらです。

アール・ヌーヴォーなひととき◆

ひと月くらいかけて、我が家の二階を整理しました。
徹底的にやってみると、家のなかに、いかに不用なものが多いのか思い知らされて、なんだかひどく苛つきます。
本関係もそうです。本棚に入りきるだけの本を持とうと決めているので、思いきって処分することにしました。
疲れる作業です。ですから、ここひと月くらいの間、家での私は、ご機嫌麗しくなかったに違いありません。
それでも、よいこともあって、その整理のさなかに、奥の方からいくつか「あ。改めて読みたい!」と心浮き立つような本や雑誌を発見することがあります。

「季刊 装飾デザイン9」(1984年発行)もその一冊です。

「アール・ヌーヴォーの装飾」をテーマにしていて、吐息とともにページを繰りました。
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まずは、最初のページの、
「東京のアール・ヌーヴォー。銀座の真中に、本場パリの「マキシム」を再現したレストランがある。内部はアール・ヌーヴォー・スタイルの優雅な装飾だ」
のくだりを読んで、銀座、マキシムへの想いに、しばしぼんやりしてから、進みます。

さて。
アール・ヌーヴォー。直訳すれば「新しい芸術」。19世紀末のヨーロッパで大流行した、花や植物を優美な曲線でデザインした装飾芸術のことです。

インテリアも好きだし(↓)

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それに、ファッションも好みです。コルセットでぎゅうぎゅうに絞り上げていた時代ですが、こんな素敵なドレス(↓)を着るためなら、私、絞り上げられてもいい、と思います。

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こちらは室内着(↓)です。優雅にならざるを得ない衣装です。言葉遣いだって変わってくること間違いありません。

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ひたっているうちに、アール・ヌーヴォーを代表するチェコの画家、アルフォンス・ミュシャが大好きだった、あるひとのことを思い出しました。
彼は、「ミュシャが描く女性が好みだ」と、目を細めて言っていました。当時、42歳でした。私は20代の半ば、ミュシャの絵を眺めては、美しい女性と自分自身の間に存在する格差に、落ち込んでいたものです。
だって、これですもの。(↓)

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ミュシャの画集を眺めたのも、久しぶりです。

・・・しんみり・・・。


この時代には、たしかに「美」というものに対する人々の憧れ、想いが強く、ありました。
次にくる「アール・デコ」(次週にとりあげる予定です)もそうです。
もちろん、現代と同じように、これらの時代も、奇抜さや、目新しさといったものを、あらゆる分野のクリエイターたちは狙っていたと思います。
そう。そこは現代と同じなのです。けれど、何かが違う。
奇抜さや目新しさもゆきすぎれば「醜」をまとってしまう。これを感じ取れるか取れないか、ここがポイントではないかと思うのです。

「泣いても落ちない」のが売りのマスカラを、説明書き通りにためして、家族に、「うわあっ、いまふうの、若い女の子みたいな目だ……なんか……へん……」といった趣旨の感想をもらった私には、「ゆきすぎ」や「醜」について、言う権利はありませんが、でも、やはり、思うくらいは思っておこうと思います。

家を彩る「幸福の谷」★

我が家には3枚、古びたステンドグラスがあります。
ダイニングと、それから玄関ホールのところに一枚、埋め込みました。
(ご興味ある方は「軽井沢ハウス物語」をご覧下さい)

ステンドグラスに惹かれるのは、そこにノスタルジックな香りがあるからです。

軽井沢 幸福の谷」、陽光降り注ぐなかステンドグラスがきらきらしていました。

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光が差す場所に、一枚、ステンドグラスがあるだけで、空間に彩りと広がりが生まれます。

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そして、おもいがけないところで、重谷和郎さんのタイルを発見。びっくりしました。

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手書きのタイル、家作り以前に出会っていたなら、きっといたるところで使ったことでしょう。
白地にコバルトブルーが、やわらかに美しく、タイルを手にとり、しばしその場にしゃがみこんでいました。
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軽井沢に工房をお持ちの重谷和郎さん。
軽井沢 アートコントラーダ」のサイトで紹介されています。

↓ こちらの作品のほかにも、素敵なのがたくさん見られます。
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ぜひご覧下さいね。

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バーニーズの内藤ルネ◆

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銀座のバーニーズ・ニューヨーク。
ウインドウディスプレイに足を止めました。
娘と一緒だったのですが、彼女は「あ! これ、うちにある本の人でしょ!」と言いました。
彼女の言う「うちにある本の人」とは「中原淳一」のことでした。
ディスプレイは「内藤ルネ」。
答えとしては間違っていますが、美輪明宏さまの、次の文章からすれば、ある意味、その間違え、「いいとこついている!」と言えるかもしれません。(親ばか)

***
ルネさんは竹久夢二(たけひさゆめじ)、高畠華宵(たかばたけかしょう)、蕗谷虹児(ふきやこうじ)、中原淳一(なかはらじゅんいち)などと並ぶ、日本の暮らしに密着した美しさを生み出してくれる画家であり、日本の本物の美意識を若い人たちに伝えられる、最後の伝道師
***

6月21日(日)まで、「RUNEオリジナルグッズコレクション」が期間限定で発売されているようです。詳細はこちらからどうぞ。
内藤ルネ公式サイトはこちらから。

波乱に満ちた半生が描かれた自伝、あります。
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内藤ルネ・ワールドのキーワードは、美輪さまもおっしゃる通り、「かわいい」です。

「かわいい」「かわいい」「かわいい」。

計4回書いてみましたが、新鮮です。なぜなら私自身が普段、文章ではほとんど使わない言葉だからです。

そのあたりと関係があるのでしょうか。
以前、中原淳一をこのコラムで紹介したときに、私が中原淳一の世界を愛でるのは、「レトロという観点から言えば意外ではないが、やはりどこか違和感がある」といったメールを知人からもらいました。

「内藤ルネは、どう。その上をいっているでしょう」と意味不明に威張りたい気分です。
……。
それでもやはり、中原淳一にしても内藤ルネにしても「美」に対する執着というか、「美」を愛する心というか、そういうものにおいては一致していて、それは決して、人生のなかで、ないがしろにしてはいけないものだと、私は強く思います。

美輪さまは、次のようにおっしゃいます。

***
小さなもの、弱いもの、いたいけなもの、無垢なもの、壊れやすいもの、愛らしいもの。こうしたものを「かわいい」と愛でる才能を、私たち日本人は失いたくないものです。その感性は平和を愛し、自由を愛する精神と、どこかでつながっているような気がするのです。
***

いっけん、「弱いもの」がすっごく強かったり、「無垢なもの」がすっごく汚れていたりする例も、あったりしますけれども、やはり、美輪さまがおっしゃりたいことは、私のなかでも、ひとつの真実なのです。

引用:「美輪明宏のおしゃれ大図鑑」より


「おみやげリクエスト」にこたえるために★

「軽井沢のおみやげ」について、「おすすめ」を聞かれることが多いことは、以前に書きました。
このブログ、「モードな軽井沢」を始めてから、その機会がますます増えました。

「おみやげ、なにか、いいのないですか?」

これは以前に書いたか忘れましたが、私は人に贈り物をする習慣がないので、こういった質問はかなり厳しい。
けれど、そんなこと言っていてはいけません。
というわけで、行ってまいりました。
プリンス、ウエストの、「おみやげ」がいっぱいのあのエリアへ……。
***

★まずは、「しらかば」。
個人的好みにより、どうしてもジャムに目がいってしまいます。


「旬です。今買わなくて、いつ買いますか」
と、言われているようなエナジーが伝わってくるコーナーを発見。
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↓ 私はこういう、「商品を熱心に説明している」状況にとっても弱いです。「もう、それだけで買っちゃう」といった気分になります。

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「軽井沢駅北口の工場」で作られていると書いてあります。
ということは、ほとんど毎日通る、あそこで……。と思うと、意味不明に親近感がわいてしまいます。

それにしても大粒です。
「つぶつぶ大粒」のいちごジャム。たべたい。
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★お次は、「ハートメモリー」。
とってもスウィートな名前なので、とってもスウィートな女になった気分で店内へ……。足を踏み入れた途端、目に飛び込んできたのが、こちらです。

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「箱菓子ランキング1位」、そして「クリームチーズ、エダムチーズ、カマンベールチーズ」
の文字が私を妖しく誘います。

私はチーズが大好きです。
けれど、ちょっと前に健康診断でちょこっとひっかかって以来、チーズを制限した日々を送っています。
時折、「えーい、食べちゃえ」をすることもありますが、そのときの私を見る娘の、悲しそうでそれでいて呆れた表情が、つらいです。
娘も私以上のチーズ好き。
でも、私のために、自分も制限しています。私より32歳も年下なのに。ああ。涙なしには語れません。
……。
というわけで。

チーズが好きなのにチーズを制限している日々を送っている私が、3種類のチーズがたっぷり入っているという、このケーキのコーナーに誘われてしまうのは自然の摂理といえましょう。

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お店の方にお話を伺うと、リピーターがとっても多いそうです。
そして、お店の方はニコニコとおっしゃるのでした。
「このチーズケーキ、ずっしりと重いんです。たっぷりチーズが使ってありますから」。
……ああ。だめです。そんな誘惑……。
……。


さらに、もう一個、興味深いものを見つけました。
私はバームクーヘンも大好きです。こちらはリンゴの入ったバームクーヘンです。

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★次、まいります。
味蔵」といえば、やはりこれ、「長いも わさび風味」でしょう。
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これは、知人から「美味しいから買ってきた。あげる」といただいたことがあるので知っていました。
そのとき知人は言ったものです。「保存料、着色料を使っていないから、オッケーでしょ?」
そうなのです。とってもオッケー。嬉しいです。

試食コーナーもあり、味を知っているくせに、試食してみました。やっぱり美味しいです。
これ、味蔵のオリジナル商品です。
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もう一つ、オリジナル商品をご紹介します。
「おやき」です。
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「野沢菜」のとか「かぼちゃ」のとか、色々あります。そして、「あずき」も。
私は「おやき」が好きです。そして「あずき」が好きです。つい、購入してしまいました。

↓ 我が家に「あずきのおやき」がある風景。

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とってもとっても美味しかったです。
昔、祖母が作ってくれたみたいな素朴な味がして、しんみりほんわかしながら、いただきました。


「デトックス・ランチ」はいかが?

ちょっと前に、「デトックス・プランのこと」というタイトルで記事を書きました。
書いているうちに、すっごくデトックスな食事がしたくなり、「担当の素敵な殿方M氏」に「食べたいんです」とワガママを言って、「デトックス・ランチ」、いただいて来ました。

体調がいまひとつな日々が続いていて、それを抜け出したあたりの午後。
これは、まさに「デトックス・ランチ日和」。「でかした」とひとりつぶやきたくなるくらいでした。

しかしながら私は、「担当の素敵な殿方M氏」もご存知の通り、お料理についての詳しいコメントを述べるのは苦手でもあり嫌いでもあるので、こういった記事を書くのに向いていません。

さて。
そんな私ですが、それでも、いただいたデトックス・ランチはほんとうに、おいしかったです。
食材そのものが味わえるかんじです。
もちろんデトックス・ランチですから、「どかーんと、こってりしたのが食べたいのよっ」という人には物足りないでしょう(あたりまえ)。
私は、おいしくいただきました。

手元にある、「春のランチ」メニューからの抜粋と、ヘタな写真とで、ご紹介します。
***

「アスパラガスと岩魚の燻製のリゾット サフラン風味」
☆アスパラガスは、元気をつけ、体の熱を冷まし、体に潤いを与える。そして利尿作用もあります。

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「お豆のサラダ(6種類のお豆)」
☆豆類には、胃腸を丈夫にする働きがあるものが多い。色々な豆を楽しんでください。

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「なつめの赤ワイン煮」
☆なつめは、タイソウともいい、胃腸に元気をつけ、血を補い、精神を安定させる。シナモン、バニラ・ビーンズと一緒に赤ワインで煮ています。シナモンは、経絡を温めて、ソウの作用をより効果的にする。
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こういったのを読んでお料理をいただくと、ますます体に良いのだと、私は信じているので、食事が終わった頃はすっかりデトックス気分です。


そして、このおいしいお料理のレシピを考案なさったのが、「薬膳料理研究家」の村岡奈弥さんです。
充実のHPはこちらからどうぞ

村岡奈弥さんの「軽井沢の四季のイメージ」、これが私にはとっても新鮮でした。

軽井沢に来たばかりのころは、季節の移り変わりが心に染み入っていたのに、このところは、それが当たり前になってしまっています。
村岡奈弥さんがおもちになっているイメージ、じっくりと読んだら、「ああ、私はすっごく良いところで暮らしているんだ!」と実感できて、嬉しかったので、ご紹介します。
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「村岡奈弥さんがもつ軽井沢の四季のイメージ」
≪春≫ 風が吹き、新しい命が芽吹き、きれいな若葉が目に飛び込んできます。
≪梅雨≫ 植物はしっかり水分を得ます。
≪夏≫ 太陽がさんさんと照り、木々は成長し、葉の緑は深くなります。
≪秋≫ 空気が澄み、木は実をつけ、紅葉します。
≪冬≫ 寒さが動きをとめ、木は、葉を落とし、じっと春を待ちます。

そして、このイメージを料理に活かしておいでです。「季節の恵み、土地の恵みにこだわり、体の中からリセット」する、そんなお料理なのです。

***

                                                              
よい午後でした。
プリンスホテル「イースト」のメインダイニングルーム。

晴れていて、ガラスの向こう側には太陽の陽射しと緑が広がって、けれど中は、落ち着いた空間でひんやりとしていて、贅沢な午後を過ごすことができました。

↓ ハーブティーもゆっくり楽しみました。
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この「デトックス・ランチ」、期間限定で、スパとセットでお楽しみいただけます。
「スパ&ランチ」はこちらからどうぞ。
                                                             

*来週はプチファッションコラムをお届けします。


「窯元陶庵」で体験したこと★

「陶芸色絵付け」、旅先でこういうのを必ず体験する人と、そうでない人とがいますが、私は後者です。
それでも、家族の誰かが「やりたい!」と言えば、一緒に体験することになりますし、過去に、大好きな恋人などが希望すれば、にこにことつき合ったことも、あります。

さて、先日はプリンス、ウエストにある「窯元陶庵」に行って来ました。

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そこで目を惹かれたのが、白くて薄い食器。「これに彩色するなら、いいかも」と思ってしまうような、そんなかんじのものでした。
説明を読めば、「ニューボン」なる文字が。
これは何でしょう?

こたえ。

英国発祥の高級感のある磁器ボンチャイナ。この質感にできるだけ近づけ、ボンチャイナよりも安価にすることで市場の拡大を狙ったもの、これがニューボンだそうです(にわか勉強)。
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強度がボンチャイナよりもあるので、日常使いに適しています。それにとっても軽いのです。ばんばん使えそうです。
そして、「窯元陶庵」は「日本初のニューボン陶磁粘土を使用した絵付け体験教室」なのです!

絵付けをする場所は、緑の中庭に面していて、気持の良い空間です。

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30分で焼きあがるので、ちょっとお買い物、あるいは食事などしていればあっという間です。

ところで。
お店に、このような写真があり ↓ 、私は大変驚きました。


フランス絵画界の巨匠ミッシェル・アンリも楽しんだという風景です。
あのミッシェル・アンリです! 
作品が明るく幸福感に満ちていることから「幸福の画家」と呼ばれている画家です。

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こちらは、私が個人的に大好きなベティちゃん(フルネームは「ベティ・ブープ」ってご存知でした?)のマグカップ。色の組み合わせに燃えられそうな形です。

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陶芸色絵付け。
「最近」の記憶は、おそらく5年くらい前。
某所で娘がやりました。
隣で私は補佐したのですが、その「作品」がこちら。
小物入れなのですが、なぜか、いま、フタしか見つかりません。
これをじっと見ながら、私は思いました。

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こういうのって、「思い出づくり」とか「旅の記念に」といわれるけど、(そして私はその言葉があまり好きではないけれど)、確かにそうだな、と。
なぜなら、このカラフルでいっぱいはみ出したフタを眺めながら、私は、あの日あのときの情景をどっと浴びていたからです。
暑かった室内、娘の息づかい、そして、なにより幼いなりに配色をあれこれと考えて、絵の具をみつめるそのエネルギッシュな瞳。
さらに、その側で、私はその時を、確かに楽しんでいたことや、あの年はあんなことがあって、ちょっと辛い夏だったな、とか……、もう、こうなってくると止まりません。
ですから、半分自分に言い聞かせますが、たかが、「陶芸色絵付け」などとあなどることは、けっして許されないのです。

タンゲーラと脚線美◆

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苦手な街と化してしまった渋谷に、それでも時折出かけてゆくのは「文化村」があるからです。「文化村ミュージアム」と「ル・シネマ」にときどき、「オーチャードホール」に、ごく希に、出かけます。


先日、オーチャードホールで「タンゲーラ」を観て来ました。
世界初でのタンゴ・ミュージカルであり、同時に、世界で大絶賛された舞台、これに深く酔いしれてきました。
90分、休憩なしのノンストップで、魅せる魅せる魅せる……、官能のタンゴ・ダンス。舞台で華麗に舞う脚とくねくねとまわるウエスト、つい、身を乗り出して見入りました。


このコラムでなぜ「タンゲーラ」かといえば、私は舞台を観ながら、しみじみと「網ストッキング」の威力を再確認していたのです。


「舞台で華麗に舞う脚」、とさきほど書きましたが、これがもし今流行している「レギンス」を履いていたなら? とイメージして置き換えてみると、まったく、官能的ではなくなるのが不思議なほどです。

レギンスが流行り始めたとき、「また、官能から遠いモノが流行していまう」と嘆いた私も、つい便利さに負けて、レギンス姿で外出してしまっている今日この頃。

このタイミングで「タンゲーラ」を観て、「網ストッキング」の威力を再確認したということは、「ほら、だからレギンスやめなさい」と運命が私に告げているのではないでしょうか。

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ちなみに、「タンゲーラ」同行の友達は、ばっちり網ストッキング、しかもバックシーム入りでした!
私は黒いレーシーなものでしたが、すっかりそれが色褪せて見えるほどに、友達の網ストッキングは妖艶でした。
もともと脚の綺麗なひとだけど、彼女の脚を眺めながら、私はつくづく思ったものです。
「脚線美」というのは、何をまとっているか、これがすごく影響しているのだな……。
これから、「なまあし」(おばけみたいな名前です)のシーズンです。
ある程度の年齢を越えた女性(自分自身を含む)はやはり、脚に何をまとうか、これを考えて「脚線美」を目指したいものです。



山口路子プロフィール写真

山口路子

プロフィール
作家。2001年に東京から軽井沢に移住。
著書に『彼女はなぜ愛され、描かれたのか』(すばる舎)などのエッセイ集、小説『女神<ミューズ>』(マガジンハウス)など。軽井沢を舞台にした作品としては、小説『軽井沢夫人』(講談社)がある。
公式ブログ*山口路子ワールド*
http://anais.cocolog-nifty.com/blog/

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