バーニーズの内藤ルネ◆

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銀座のバーニーズ・ニューヨーク。
ウインドウディスプレイに足を止めました。
娘と一緒だったのですが、彼女は「あ! これ、うちにある本の人でしょ!」と言いました。
彼女の言う「うちにある本の人」とは「中原淳一」のことでした。
ディスプレイは「内藤ルネ」。
答えとしては間違っていますが、美輪明宏さまの、次の文章からすれば、ある意味、その間違え、「いいとこついている!」と言えるかもしれません。(親ばか)

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ルネさんは竹久夢二(たけひさゆめじ)、高畠華宵(たかばたけかしょう)、蕗谷虹児(ふきやこうじ)、中原淳一(なかはらじゅんいち)などと並ぶ、日本の暮らしに密着した美しさを生み出してくれる画家であり、日本の本物の美意識を若い人たちに伝えられる、最後の伝道師
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6月21日(日)まで、「RUNEオリジナルグッズコレクション」が期間限定で発売されているようです。詳細はこちらからどうぞ。
内藤ルネ公式サイトはこちらから。

波乱に満ちた半生が描かれた自伝、あります。
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内藤ルネ・ワールドのキーワードは、美輪さまもおっしゃる通り、「かわいい」です。

「かわいい」「かわいい」「かわいい」。

計4回書いてみましたが、新鮮です。なぜなら私自身が普段、文章ではほとんど使わない言葉だからです。

そのあたりと関係があるのでしょうか。
以前、中原淳一をこのコラムで紹介したときに、私が中原淳一の世界を愛でるのは、「レトロという観点から言えば意外ではないが、やはりどこか違和感がある」といったメールを知人からもらいました。

「内藤ルネは、どう。その上をいっているでしょう」と意味不明に威張りたい気分です。
……。
それでもやはり、中原淳一にしても内藤ルネにしても「美」に対する執着というか、「美」を愛する心というか、そういうものにおいては一致していて、それは決して、人生のなかで、ないがしろにしてはいけないものだと、私は強く思います。

美輪さまは、次のようにおっしゃいます。

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小さなもの、弱いもの、いたいけなもの、無垢なもの、壊れやすいもの、愛らしいもの。こうしたものを「かわいい」と愛でる才能を、私たち日本人は失いたくないものです。その感性は平和を愛し、自由を愛する精神と、どこかでつながっているような気がするのです。
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いっけん、「弱いもの」がすっごく強かったり、「無垢なもの」がすっごく汚れていたりする例も、あったりしますけれども、やはり、美輪さまがおっしゃりたいことは、私のなかでも、ひとつの真実なのです。

引用:「美輪明宏のおしゃれ大図鑑」より




山口路子プロフィール写真

山口路子

プロフィール
作家。2001年に東京から軽井沢に移住。
著書に『彼女はなぜ愛され、描かれたのか』(すばる舎)などのエッセイ集、小説『女神<ミューズ>』(マガジンハウス)など。軽井沢を舞台にした作品としては、小説『軽井沢夫人』(講談社)がある。
公式ブログ*山口路子ワールド*
http://anais.cocolog-nifty.com/blog/

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