ご愛読に感謝します

突然のお知らせですが、昨日3月31日をもちまして、
「山口路子のモードな軽井沢」の連載コラム終了、
となりました。


私の直接のアドレスを掲載していないのに、プロフィールにある
「山口路子ワールド」にゆき、さらにそこからプロフィールにゆき、
そこにある小さなメールアドレスを見つけ出す、というややこしい作業をして、感想をくださった方々、ほんとうにうれしかったです。


「あのおみやげを買いました」とか「あの服はもうありませんでしたー(涙)」
といったご感想をいただくたびに、「次はどんなのをご紹介しようかな」
とやる気がわいてきたものです。

軽井沢の方々が読んでくださっていることも、意外な驚きでした。
どこかでお会いして、「プリンスの、モードな軽井沢、読んでますよー」なんて言われることは、照れくさいけどうれしいことでした。

これからはプリンスからときおり旅立って、軽井沢のお店のご紹介もしようかな、なんて思ってもいたのですが、……残念です。

けれど、常套句を使ってみれば、ええ、この季節は「別れの季節」。
そして、「出逢いの季節」でもあります。(←ここに期待します)
そしてはじまりがあるものには、いつだって終わりがあるのです。

きっかけをくださった素敵な殿方のMさん、一緒に取材をしてくださった若くてかっこいい殿方のMさん、そして、途中ちょっとご一緒した楽しくキュートな殿方Mさん。思えばみなさんMさん……。そしてみなさんご親切な方々でした。
ありがとうございました。


そして読者のみなさま。
ありがとうございました。

                                          

2010年4月1日 山口路子

危険な「ゆるT」◆

ヴォーグ・ニッポン5月号に「ゆるT&モード・デニムのスタイル強化合宿」なる特集がありました。
さいきん、自分自身の好みが変容していて、Tシャツっぽいかんじのあれこれを買い足していることもあり、興味深く眺めました。

私は基本的にロングタンクトップが好きなのです。
それは、(許されるシーンでは)ミニのワンピースとしても着られるし、サイドをまとめてブローチで留めれば、ボディラインをごまかしてくれるからです。

ですから、多様な記事のなかでも「アレキサンダーワン」の「T」ラインに注目しました。

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アレキサンダーワンはサンフランシスコ生まれの、いま、とっても人気のあるデザイナーです。
この方が、コレクションラインとは別に、昨年「T」ラインを発表。
その名の通りTシャツがメインなのですが、

「レギンスやボディコン・ドレスなどフルラインを揃えているんだ。単なるセカンドラインという位置づけじゃなくて、Tシャツから始まる、独立した新しいライフスタイルを提案していけたらいいなと思ってるよ」

なのだそうです。
いま、「ゆるT」がブームなのだそうですが、この火つけ役がアレキサンダーワンなのでした。

そして、私は今回、久しぶりに「プレゼント」に応募したくなりました。

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黒のロングタンクトップです。

「スキニーデニムやレギンスと合わせても、一枚でミニワンピースとしてもOKの万能アイテム。着るとナチュラルに作られるドレープや大きく開いたネックと脇のラインがセクシーな逸品です」

うーん。

このロングタンクトップ。お店で、なんとなくハンガーにかかっていたら見過ごしてしまいそうですけれど、このように説明されると、なんとも魅力的なドレスに思えてきます。こうして人々はヴォーグ・ニッポンのサイトにアクセスし、結果どうしても欲しくなり、購入してしまったりするのだろうな、と思いました。

それでもやはり「ゆるT」には、私はある種のデンジャラスな香りがあるように思います。なんとなく「らくそう」に思わせておいて、実はすごく難しいアイテム、という点において。
若くて細い女の子なら問題ないですが、ある程度の年齢で、いろんなところのラインが変容し始めた人々は、「ゆるT」を取り入れる際、熟慮が必要です。自戒をこめて、ここに記したいです。

サムソナイト物語★

あるところに、スーツケースの購入を希望している殿方がいました。
今までに使っていたスーツケースが古くなって壊れそうなのです。
殿方は言いました。
「今度は安くてかっこいいのを選ぶぞ。ノーブランドでもいいのがたくさん出ているんだ」。
そしてネットにて、さまざまなタイプを検証。
結果、「これだな」と思える一品を選び出しました。
中型のハードタイプなのですが、信じられないくらい安価なのです。
リモワ級のものと比べたら、ゼロがひとつ少ない。
……。
さて。
殿方はスーツケースの到着を楽しみに待ちました。


「即納!」とあっただけあって、すぐに届きました。
楽しみに開封しました。
そしてコロコロと転がしてみました。
するとすぐに、何箇所かにあった、その会社のブランド名が記されたタグが剥がれ落ちてしまいました。

殿方はたいへん不安に思いました。
そして、近くにいた妻に言いました。
「これ、どう思う?」
妻は言いました。
「いかにも安いです、って顔してるし、それに、その剥がれ落ちたものって、いかがでしょうか。全体的に不安で、私ならとうてい海外へは持っていけません」

ということで、殿方は、そのスーツケースを返品することにしました。
元通りにダンボールに入れて、宅配便を手配して、けっこうな手間です。


さて。
次に、殿方は東京のいくつかのショップにてスーツケースを物色。
けれど、「これだ!」というものに出会えません。

殿方のイメージしている価格と品質とデザインが一致しないのです。


そんなある日、妻が言いました。

「そうだ。プリンス、行ってみる? サムソナイトのアウトレットがあるから」

「サムソナイト? 今回はノーブランドで、という方針に反するなあ」

「でも、それだけ見てなくて、しかもノーブランド激安商品に懲りたでしょ」

「そうか。行って見よう」


……。

プリンス、ウエストにある「サムソナイト・アウトレット」に入店して三十秒後。
殿方は言いました。
「これにする」
たしかに、価格といい(つまり、嬉しいプライスダウン)、品質といい(さすがのサムソナイト)、デザインといい(シンプルな美しさ)、イメージにぴったりでした。


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しかも、そのまま車に積んで持って帰れるという手軽さ。
殿方はたいへん満足しました。


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以上、ある日のサムソナイト物語でした。

ある日のプリンス雑記★

いつの頃からか、娘の学期末あるいは学年末に「スタバでお祝いを」の習慣ができてしまいました。
最初は、偶然にもその日なんとなくうかれていて(私が)、気分が良かったので、スタバでお茶をしたくなっていた。そこで、理由をくっつけて(つまり、恩着せがましく)、「お祝いに行こう」と言ってしまったのが全てのはじまりだったように記憶しています。
ということで先日も、学年末だったものですから、お祝いに行ってきました。
二人で、スタバでランチを食べたのです。

***

それから数週間前からずっと気になっていた「フランフラン」に行きました。

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何が気になっていたかといえば、布カゴです。
以前に、なんとなく、「これ、何かと便利そう」と一つ買ってみたのです。

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そしたら、とても便利で使い勝手が良かったものですから、さらにいくつか欲しくなっていたのです。
けれどまだ、それが残っているかどうか、とても心配で、早く行かなくては、と思いつつもなかなか行けないでいたのです。

そして、フランフランにて発見しました。

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大きいのを二つ、小さいのを一つ買ってきました。
これは軽いし、どこにもひっかからないし、日常でよく使うタオルやシーツ、枕カバーなどを入れるのに、とってもよい。長期間の保管にはフタのあるものが便利ですけれども、ちょくちょく取り出すのは、こういうのが便利。

***

この日は、「芝生の広いところを歩きたい」娘の要望に応えるため、ウォーキングシューズをはいていったので、イーストからウエストへ、さらにイーストに戻るという……私にしてみれば充分な運動をしました。
遠目にですけれども、数組の知り合いを発見しました。意外と地元率高いかも、と思ったプリンス体験でした。
                                                                                                                                                                                       
*22日(月)のコラムはお休みです。



山口路子プロフィール写真

山口路子

プロフィール
作家。2001年に東京から軽井沢に移住。
著書に『彼女はなぜ愛され、描かれたのか』(すばる舎)などのエッセイ集、小説『女神<ミューズ>』(マガジンハウス)など。軽井沢を舞台にした作品としては、小説『軽井沢夫人』(講談社)がある。
公式ブログ*山口路子ワールド*
http://anais.cocolog-nifty.com/blog/

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