修学院・一乗寺エリア | 名建築巡り
こんにちは。
宿泊プラン企画担当のミツヤです。
今回はいよいよ名建築めぐりの一押しポイントです!
ハイキングを楽しんだ私とカシマさんは、
曼殊院の入口へやってきました。
お着物を着た女性の方が
私たちの前に入っていかれました。
京都のお寺には、着物姿がよく似合いますね。
カシマ:「曼殊院はね、伝教大師が草創した
お寺なんだよ。」
ミツヤ:「伝教大師って、えっと・・・」
カシマ:「天台宗を開いた最澄さんのことだね。
曼殊院も元々は比叡山の西塔エリアに
あった坊みたいだよ。」
ミツヤ:「最澄さんって言うことは、
平安時代ですよね?
長い歴史のあるお寺なんですね。」
さて、内部に入ろうとすると、“写真撮影禁止”の文字。
残念ですが、実際に足を運んでいただかないと
鑑賞できないようです。
カシマ:「文化財指定を受けている寺院や神社では
内部撮影禁止のところが多いので仕方ないよね。
内部には襖絵など貴重な文化財がそのまま観賞できるところも少なくないんだけど、
フラッシュの光などが傷みの原因になったりするんだ。」
ミツヤ:「そうなんですね、三脚の使用やカメラに気を取られて
持ち物が当たったりすると文化財を傷つける恐れもありますよね。」
カシマ:「そう。だから心に焼き付けるつもりでじっくり観賞してほしいよね。」
そう。写真に撮って満足することが多いのですが、帰宅して思い出してみると、
案外忘れているものなんですよね。
旅に出て、人との出会いはもちろん、芸術や風景、光、風・・・
出会うもの全てがそのときだけの“一期一会”。
じっくり観賞して、感動して、旅のその瞬間を楽しんでいただきたいです。
では、その観賞のポイントをナビゲートしていきましょう!
曼殊院が現在の地に至ったのは江戸時代の初め、
桂宮智仁親王の次男良尚法親王のときです。
ミツヤ:「良尚法親王自らが造営に加わったらしいですね。」
カシマ:「智仁親王は桂離宮を造営した人だよね、
曼殊院の建築が桂離宮と似ているのは影響を受けているからだろうね。」
ミツヤ:「修学院離宮を造営した後水尾上皇の養子でもあったんですよね。」
カシマ:「そう、だから修学院離宮と桂離宮、曼殊院がよく似た建築様式になっているんだ。
そしてそれが江戸時代の代表的書院建築となったんだね。」
なにやら難しい話になってしまいましたが、知っていると味わいに深みが出ますよね。
実際の鑑賞おすすめポイントは簡単です!
1.細部意匠に注目する
2.移り変わる視点の変化で庭園を楽しむ
3.静寂を味わう
私のおすすめはこの3つです。
細部意匠は、襖についている引き戸や、釘隠し、欄間などをチェック。
引き戸には瓢箪や扇型などこだわりが見られます。
釘隠しには富士山を模ったものもありました。
欄間には卍くずしのものや、月型のものも。
忘れがちな違い棚も必見。“曼殊院棚”と呼ばれる独特のものがありますよ。
庭園は小堀遠州好みの枯山水。
白砂の中にある鶴島、亀島、趣向が凝らされた石燈籠、見事な松の木。
広大な建築は自らが動くことで視点が変り、そのたびに庭園の眺めも変るので楽しめます。
立って、歩いて、座って・・・思い思いに楽しんでくださいね。
そしてそして、自然の中で静かな時を満喫する!
洛北観光のポイントはこれです!!
大人気の東山や嵐山にはない、旅情緒が洛北エリアの魅力です。
でもやっぱり、お寺に入ればご本尊に、神社を訪れればご神体に、まずは一礼、
手を合わせてご挨拶をしてくださいね。
さて、曼殊院を堪能した私たちは、帰路へ。
と、その途中で、少し寄り道しました。
行った先は鷺森神社。曼殊院の参道をまっすぐに下って300メートルほど進んだところに、ほぼ180度折返すところがあり、そこが鷺森神社に続く道です。鬱蒼とした森林を抜けて、本殿でお参り。狛犬が鞠を押さえた格好になっていて面白かったですよ。サッカー選手みたいでした。境内には縁結びの石も。私も、カシマさんも触ってお願いしてきましたよ。
往路は長く感じた坂道も、下り坂は楽でした。
あっという間に大通りまで。
途中のミニスーパーや、そこでアイスクリームを買う小学生に、
どこか懐かしさを感じながら。
修学院離宮、曼殊院の名建築。
足を運んで、その目に焼き付けてくださいね。
こんな寄り道も洛北観光の楽しみ!?
カシマ